市川中車

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市川中車、團子との親子共演へ。父・猿翁の魂継承と5月歌舞伎町での新挑戦

歌舞伎界の重鎮で、俳優としての活動も広める市川中車(60)。その長男で歌舞伎俳優の市川團子(22)が大学を卒業し、本格的に役者一筋の道を歩み始めたタイミングで、親子が初共演を果たそうとしている。5月に東京・歌舞伎町で上演される『獨道中五十三驛』での親子宙乗り披露は、話題の的だ。父・猿翁(3代目猿之助)が遺した芸の魂を継承し、次世代へ繋ぐ一大プロジェクトが動き出した。

歌舞伎界の親子が描く「親子共演」の新章

2026年2月5日、都内で行われた「歌舞伎町大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内『獨道中五十三驛』」の製作発表会見。舞台俳優としてのキャリアに区切りをつけ、春から歌舞伎俳優としての一歩を踏み出す市川團子と共に、父・市川中車が登壇した。

この発表会見の最大の焦点は、親子が同じ舞台で共演することだ。團子はこの春、大学を卒業。以降は「役者一筋」に打ち込むことを明かしている。スポーツ報知の記事では、團子自身が「舞台のクオリティーを上げることに集中して取り組みたい」と抱負を語っている。

一方、父親である中車は、息子との共演にどのような心境を抱いているのだろうか。日テレNEWS NNNの記事によれば、中車は「私はどんどん差がつけられております」と謙虚な姿勢を見せる一方、「息子・團子は『同輩』」と語り、親子でありながらも、同じ舞台を担う者としての意識を強く持っている。

「親子共演に中車は『光栄です。息子と舞台に立てる機会を頂けたことが、本当にありがたい』と語った。」(日テレNEWS NNN)

この言葉には、芸の継承という厳しさと、親子としての愛情が同居している。5月の歌舞伎町での上演は、単なる親子共演ではなく、歌舞伎の新たな歴史を刻む試みとして注目されている。

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5月の歌舞伎町で親子が挑む「宙乗り」と「早替わり」

2026年5月3日から26日まで、東京・THEATER MILANO-Zaで上演される『獨道中五十三驛』。この作品は、四世鶴屋南北の作であり、1981年に3代目市川猿之助(2代目猿翁)が復活上演し、以降「三代猿之助四十八撰」の一つとして数多く再演されている由緒ある作品だ。

この舞台で、親子はそれぞれ特筆すべき大役を任されている。

市川中車の挑戦:十二単をまとった猫の怪の宙乗り 中車は2幕目の「岡崎無量寺」で、十二単(じゅうにせん)をまとった「猫の怪」を演じる。ここでの最大の見どころは、中車が歌舞伎町では初披露となる「宙乗り」だ。猫の怪が空中に浮遊するという幻想的なシーンを、60歳のいま、新たな挑戦として临んでいる。これは、単なる技の披露ではなく、父・猿翁が得意とした「 spectacle(スペクタクル)」の精神を引き継ぐ象徴的な場面と言える。

市川團子の挑戦:13役を早替わりで勤める大役 一方、團子は大詰の舞踊「写書東驛路」で13役を早替わりでこなすという、若さではありえない難役に挑む。スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』で主役を務めた実績や、家の芸である『義経千本桜』への挑戦など、その才能は既に歌舞伎界で注目されている。13役の早替わりは、絶大な体力と集中力を要するが、ここに至るまでの彼の努力の結晶と言えるだろう。

この親子の共演は、単なる「親子」ではなく、お互いを認め合う「同輩」としての芸のぶつかり合いが期待される場となっている。

父・猿翁が遺した「3S」と蜷川幸雄の「欲望の距離」

市川中車が現在の歌舞伎に携わる上で、最も重要な指針として挙げるのが、亡き父・猿翁の理念である。au Webポータルの記事では、中車が猿翁の思想をこう語っている。

「父の理念はスピード、ストーリー、スペクタクルの3S。この概念を歌舞伎に取り入れて貫くのが父のスピリットだ。」(市川中車)

この「3S」、すなわちスピード感あふれる展開、しっかりしたストーリー性、そして圧倒的な spectacle(見世物としての見応え)を追求する精神は、現在の市川中車の舞台作りの根幹にある。

さらに、中車が心に刻む人物がもう一人いる。蜷川幸雄だ。蜷川幸雄は演出家として、歌舞伎を含む舞台芸術に新しい風を吹き込んだ人物で、中車は「蜷川幸雄さんの『欲望の距離』」を心に刻んでいると語る。

蜷川の「欲望の距離」とは、登場人物の内面に潜む欲望を、どの距離感で演じ、観客に伝えるかという演出哲学であり、これに中車は「3S」を融合させ、現代的な歌舞伎を模索し続けている。父から受け継いだ「形」と、蜷川から学んだ「内面の描写」。この二つが融合した舞台が、5月の歌舞伎町でどのような形で現れるのか、歌舞伎ファンの間で既に熱い期待が高まっている。

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親子共演がもたらす歌舞伎界への影響

親子共演というテーマは、歌舞伎界において古くから珍しいことではない。しかし、市川中車と市川團子の共演は、単なる家系の継承ではなく、芸そのものの「継承と革新」を体現している点で異質だ。

1. 新しい世代の観客層の獲得 團子が大学を卒業し、若くして多くのメディアに露出することにより、歌舞伎への関心の高い層だけでなく、これまで歌舞伎に縁のなかった若い世代へのアプローチが期待されている。5月の舞台でも、声優関智一や福山潤、櫻井孝宏らが参加する「こえかぶ」(声優が歌舞伎台本を朗読する企画)も行われ、歌舞伎界とポップカルチャーの融合が進んでいる。

2. 技の継承と新しい表現 中車の宙乗りは、猿翁が得意としたが、中車自身も近年取り組み始めた技だ。その技を、團子という新しい才能と共に披露することで、技の継承と、新たな表現への変容を同時に示そうとしている。團子の13役早替わりも、伝統的な歌舞伎の技量を、現代的なスピード感でこなす試みであり、これも「3S」の精神に則っていると言える。

3. 業界全体への波及効果 もともと中車は、歌舞伎俳優としてだけでなく「香川照之」としての活動も精力的に行っている。その

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市川中車 猿翁さんの「3S」蜷川幸雄さんの「欲望の距離」心に刻む ...

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四世鶴屋南北作。1981年に3代目市川猿之助(2代目猿翁)が復活上演し、12回も再演して「三代猿之助四十八撰」のひとつになっている。中車は2幕目の「岡崎無量寺」で十二単をまとった猫の怪(あやかし)で宙乗りを披露。團子は大詰の舞踊「写書東驛路(うつしがきあずまのうまやじ)」で13役を早替わりで勤める。

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本作において屈指の人気を誇る「岡崎無量寺の場」では、十二単をまとって宙を飛ぶ猫の怪を、数多くの話題作にも出演、映像でも活躍を続ける市川中車が初役で勤める。THEATER MILANO-Zaで宙乗りを行うのは初の試みとなる。大詰は、常磐津を用いた舞踊『写書東驛路』をお届け。スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』でヤマトタケルを演じ、家の芸である『義経千本桜』にも挑戦した歌舞伎界のホープ團子が十三役を早替りにて勤める。