俳優松谷鷹也

大谷翔平と対戦した投手、その名は松谷鷹也。元プロ野球選手との感動の交流と俳優としての歩み

「一番良い投手だなと」。2014年、夏の甲子園で当時無敵を誇った大谷翔平投手（当時・早稲田実業）と対戦した投手が、後にその回想を残した。その投手の名は、松谷鷹也（まつたに たかや）さん。彼は、高校時代に球界のレジェンドと渡り合った経験を持つ傍ら、父・元プロ野球選手の松谷聖賢さんとの父子家庭で育ち、現在は俳優として新たなステージで活躍する、異色の経歴の持ち主だ。

本日は、元プロ野球選手の息子であり、大谷翔平と対戦経験を持つ俳優・松谷鷹也さんの人生に迫り、その魅力と今後の展望を探る。

球界のレジェンドと交錯した青春：大谷翔平との対戦

松谷鷹也さんが、全国区のスポーツニュースのトップを飾ったのは、2014年夏の甲子園。都立桜修館高等学校のエースとして、早稲田実業のエース、大谷翔平投手と対戦した試合である。

当時、大谷投手は2年生ながら、最速160km超の剛球と破壊力抜群の打撃で「怪物」として恐れられ、早稲田実業の攻守の中心に君臨していた。その大谷投手の前に立った松谷投手は、試合後、日刊スポーツの取材にこう語っている。

「（大谷投手の球は）すごく重い球が来る。ゴロを打っても、ファウルを打っても、 bat が重い。すごく良い投手だなと」

この一言は、対戦相手として、そして同世代の選手として、大谷投手の投球を心から称賛した証である。桜修館は0-7と完敗を喫したが、その土俵で大谷投手の投球を最も間近で体感した数少ない人物として、松谷さんの名は記憶に残っている。

元プロ野球選手の息子、父子家庭での厳しくも温かい育ち

松谷鷹也さんの背景には、父・松谷聖賢さんの存在がある。聖賢さんは元プロ野球選手（元阪神タイガース、西武ライオンズなど）で、松谷さん自身も幼少期から野球の英才教育を受けていた。

しかし、松谷さんが3歳の頃に両親が離婚。以降、聖賢さん男手一つで松谷さんを育て上げた。プロ野球選手という多忙な職業の中で、子育てに奔走した父の姿は、松谷さんにとって大きな存在だったに違いない。

父は元プロ選手というプレッシャーの中、松谷さんは野球を続ける。そして、前述の甲子園での大谷翔平投手との対戦という、野球人生における一大イベントを経験する。

野球から俳優へ。異色の経歴を持つ男の転身

では、なぜ野球の道を歩みながら、俳優への転身を決意したのだろうか。

松谷さんは大学卒業後、一般的な会社員として社会人生活をスタートさせる。しかし、その傍らで俳優の道を志し、2023年頃から本格的に活動を開始した。

この転身の背景には、父・聖賢さんとの確かな絆がある。テレ朝POSTの記事では、父子家庭での育ち方、そして父の存在が松谷さんの人生観に大きく影響を与えていると語られている。

特に、近年注目を浴びるきっかけとなったのが、元阪神タイガースの選手で、28歳の若さでこの世を去った横田慎太郎さんとの交流である。

松谷さんは、俳優としての活動の傍ら、横田慎太郎さんのご家族と交流を深め、故人を偲ぶ活動を行っている。横田さんも松谷さん同様、プロ野球選手という夢を叶えながらも、病と闘い、28歳という若さで亡くなった悲劇の選手だ。

その松谷さんの姿を、2024年放送の『徹子の部屋』で目撃した視聴者も少なくない。父・聖賢さん、そして横田慎太郎さんとの関係性を通して、松谷さんの「人間性」が世間に知られる結果となった。

俳優としての活動と今後の可能性

俳優としての松谷鷹也さんのキャリアは、まだ発展途上である。しかし、彼の経歴は非常にユニークだ。

• 元プロ野球選手の息子というルーツ
• 大谷翔平と対戦した投手という実績
• 父子家庭での育ちという人間的な深み
• 亡き選手・横田慎太郎さんとの交流という人間性

これらは、単なる俳優としての経歴ではなく、松谷さんという人間そのものである。演技においても、野球選手としての体験は、身体能力やポテンシャルの高さに繋がっている可能性が高い。

まとめ：野球の世界から見えてきた、新たな夢

松谷鷹也さんは、単なる「元野球選手の息子」でも、「大谷翔平と対戦した投手」でもない。それらはあくまで、彼という人間を構成する一部に過ぎない。

父との父子家庭、そして横田慎太郎さんとの交流。そして何より、自らの足で選んだ俳優という道。その歩みは、野球選手としての「勝負」の世界から、人間の「生き様」を描く演技の世界へと移行しつつある。

今後、松谷鷹也さんが俳優としてどのような作品に出会い、どのような役柄を演じるかは、興味深い。彼の人生経験が、演技にどのような深みを与えるか、これからが楽しみな俳優の一人だ。