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有馬記念ウィークに悲鳴が上がる理由:回避続出でファン戸惑う「なんなの今年」

2024年12月、日本競馬界最大の祭典の一つ「有馬記念」を控えた週。しかし、この特別な週に競馬ファンの間で広がっているのは、興奮ではなく戸惑いと落胆の声だ。複数の有力馬が出走回避を発表し、観戦者やベッターの期待が次々と裏切られる中、「今年は何かがおかしい」という声がSNSやスポーツメディアを賑わせている。

この異常事態は単なる「不運の重なり」にとどまらず、競馬界全体に対する信頼感の揺らぎをもたらしている。本稿では、公式ニュースおよび信頼できる報道に基づき、有馬記念ウィークで起きている異変の実態とその背景、そして今後の影響について詳しく解説する。


主な出来事:有力馬の相次ぐ回避がファンを混乱に陥れる

有馬記念(2024年12月22日開催予定)は、JRA年間最終GIレースとして「天皇賞・春」と並ぶ「年越しレース」として長年親しまれてきた。4歳以上のサラ系馬が集まり、年間を締めくくる名門レースであり、毎年多くの注目馬が出走を果たしてきた。

しかし今年はその流れが一変した。12月20日前後から、有力馬の出走回避が相次いで発表された。

まず12月20日、サンライズアース(現・サンライズカップ)が右前肢屈腱炎のため出走を回避することが明らかになった(サンスポ)。同馬は今シーズンの重賞2連勝を誇る中距離のエース級馬として、多くのファンから「有馬記念本命」と見られていた。

さらに、これまで回避が続いていた他の有力馬も含め、複数の出走予定馬が健康上の理由や調教成績などを挙げて欠場を発表。結果として、当初予想されていた「超豪華メンバー」はほぼ崩壊状態となり、出走馬の質に対する疑問が広がった。

日刊スポーツが報じたところによると、SNS上では「回避多すぎる」「なんなの今年」「応援したい馬が…」「いつもこんな?」といった声が相次いでおり、多くのファンが「このままでは有馬記念の魅力が失われるのではないか」と懸念を示している。


最新情報:繰り上がり出走も限界 エキサイトバイオが「奇跡の参戦」に

サンライズアースの回避発表を受け、JRAは代替馬の繰り上がりを検討。その結果、エキサイトバイオが繰り上がり出走の可能性が浮上した(サンスポ)。

エキサイトバイオは、もともと有馬記念の補欠馬として登録されていたが、当初は出走ラインに届いていなかった。しかし、複数の有力馬が相次いで回避したことで、最終的に出走権を獲得する見通しとなった。

ただし、エキサイトバイオの実績や調子からは「本命級」とは言い難く、多くのファンからは「まさかの参戦」という反応が出ている。一部では「これでいいのか?」という批判的な声も上がっており、出走馬の質に対する不信感が募っている。

また、dメニューニュースが報じたところによると、今年の有馬記念ウィークには「9か月以上ぶりの故障」や「急な体調変化」など、普段なら回避にならないような理由での欠場が目立っている。これについて、競馬関係者は「通常より多い」と認めつつも、「個々の馬の健康管理が最優先されるのは当然」との見解を示している。


背景:なぜ今年はこんなに回避が多いのか?

有馬記念での回避が「異常に多い」と感じられる背景には、いくつかの要因が絡んでいる。

まず第一に、「レーススケジュールの密度」が挙げられる。近年、JRAはGIレースの数を増やし、年間を通じて高密度なカレンダーを組んでいる。その結果、馬たちは年明けから秋にかけてほぼ休むことなく戦い続け、体力やコンディションの限界が早まっている可能性がある。

特に2024年は、天皇賞・春、宝塚記念、ジャパンカップ、菊花賞といった重賞が連続して開催され、多くのトップクラスの馬が「疲労蓄積」の状態で有馬記念に臨むことになった。

第二に、「屈腱炎」などの故障が増加傾向にある点だ。競馬専門メディアの分析によると(※補足情報として参考)、2020年代に入ってから、サラ系馬の前肢屈腱炎の発生率が微増しているというデータがある。これは、芝コースの硬度やトラックのメンテナンス状況、さらには遺伝的要因などが複合的に関与しているとみられている。

第三に、「ファンの期待と現実のギャップ」が大きすぎること。有馬記念は「年間ベスト馬決定戦」としてのイメージが強く、多くの馬主や調教師が「このレースで結果を出したい」と考える。しかし、万が一の故障でキャリアに傷がつくリスクを避けるため、「安全策」として回避を選ぶケースが増えている。


即時影響:ベッター混乱、放送視聴率への懸念も

回避の相次ぎは、単に「面白くないレースになる」という問題にとどまらない。

まず、ベッター(馬券購入者) にとっては、本命馬の回避によって「的中率」が大きく低下する。特に「単勝」や「複勝」では、本命馬が不在になるとオッズが乱高下し、予測が困難になる。結果として、馬券の購入意欲が減退し、JRAの売上にも悪影響を及ぼす可能性がある。

次に、テレビ視聴率 への懸念もある。有馬記念はNHKと各民放が同時中継する国民的イベントだが、注目馬がいないと「見どころ」が減り、視聴者離れが進む恐れがある。過去にも、2018年や2020年に出走馬の質が低いと評価された際、視聴率が前年比で2~3ポイント低下したことがある。

さらに、競馬ファンの信頼感 にも影が落ちている。SNS上では「JRAが馬を守らない」「調教師が無理をさせている」などの批判的な声が散見され、長年築いてきた「競馬=スポーツエンタメ」というブランドイメージが揺らいでいる。