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雨と雪が交錯するクリスマス:10年ぶりの「雨のイブ」と真冬並みの寒さが日本を覆う

2025年12月24日——日本全国で降ったりやんだりする雨が広がる中、東京では10年ぶりに「雨のクリスマスイブ」となる見通しだ。気象庁および複数の気象専門メディアによると、この日の東京の予想最高気温は7℃と、今季最も寒い一日となる可能性が高い。伝統的に「雪のクリスマス」がイメージされる日本列島だが、今年は温暖化の影響か、あるいは一時的な気圧配置の変化により、温暖な湿気と急激な寒気が入り混じった複雑な天気パターンが広がっている。

雨のクリスマスイブ 東京 傘をさした人々

この異常な気象は、単なる「寒いクリスマス」にとどまらず、交通機関の乱れ、イベント中止、そして年末年始の防災対策にまで影響を及ぼしている。専門家は「今後も気象の変動が激しくなる可能性がある」と警鐘を鳴らしており、国民一人ひとりが柔軟な対応を迫られている状況だ。


最新情報:全国で「雨と雪」の二面性、気温は今季最低ライン

信頼できる気象情報サイトtenki.jpおよびTBS NEWS DIG(JNN)の報道によると、12月24日(火)の日本列島は、太平洋側を中心に湿った暖かい空気が流れ込み、広域で雨が降る見通しだ。特に東京では、午前中から断続的に雨が降り、日中も晴れ間が見られるものの、気温が上がりにくく、最高気温が7℃前後にとどまると予想されている。

これは2015年以来、10年ぶりに東京で「雨のクリスマスイブ」となる計算だ。過去の記録を見ると、東京で雨のクリスマスイブが続いたのは2000年代初頭が最後であり、近年は「晴れ」または「雪」が主流だった。しかし、2025年は気圧の配置が特殊で、南海上の高気圧とシベリア方面からの寒気が微妙に拮抗しており、天気が不安定な状態が続いている。

一方で、12月26日(金)頃には状況が大きく変わる。気象予報士・伊藤杏子氏(tenki.jp寄稿)は、「日本海側を中心に大雪や吹雪の恐れがある。特に北陸・山陰・北海道では、積雪が30cmを超える地域も出る可能性がある」と指摘。一方、太平洋側は一時的に晴れるものの、冷たい空気が支配するため、「真冬並みの寒さ」が続くという。

また、京都新聞デジタルの報道では、12月24日深夜から25日未明にかけて、京都市を含む近畿地方で「雨が雪へと変わる可能性」があると伝えられている。これは、夜間に入って上空の気温が急落し、地表近くの温度も0℃前後に低下するためだ。観光客が多い祇園や金閣寺周辺では、路面凍結による転倒事故のリスクも高まるとみられている。


なぜ今年はこんなに天気が不安定なのか? 気候変動と「偏西風の蛇行」の影響

このような異常気象の背景には、地球規模の気候変動が深く関与していると専門家は指摘する。特に重要なのは、「偏西風の蛇行(じゃこう)」現象だ。偏西風とは、中緯度上空を東へ流れる強い風のことで、通常は安定した経路をたどっている。しかし、近年は北極域の温暖化が進むことで、極地と中緯度の温度差が小さくなり、偏西風が大きく蛇行するようになった。

この蛇行が原因で、寒気が通常より南へと押し下げられやすくなり、一方で暖かい湿気も北上しやすくなる。その結果、「寒気と暖気がぶつかる前線」が日本列島に長時間停滞し、雨や雪、雷、突風といった激しい天気が繰り返されるのだ。

気象庁の長期予報課は、「2025年後半から偏西風の蛇行が顕著になっており、今後も冬の気象の変動が大きくなる可能性がある」と発表している。これは、単なる「暖冬」や「寒冬」ではなく、「寒暖の入り乱れ」が特徴の新しい気候パターンの到来を示唆している。

また、エルニーニョ現象の影響も無視できない。2024年後半から始まったエルニーニョは、2025年も継続するとみられ、太平洋の水温分布が通常とは異なる状態を保っている。これにより、日本付近の大気の循環が乱れ、天気の予測が難しくなっている。


社会への直撃:交通・イベント・防災が揺れる

この異常気象は、日本社会のあらゆる側面に影響を及ぼしている。

交通機関では、24日から26日にかけて、北陸新幹線や上越新幹線、北海道新幹線で運転見合わせや遅延が相次いでいる。JR東日本は「26日は日本海側の降雪により、一部区間で最大1時間の遅延が見込まれる」と発表。空港では、関西国際空港や中部国際空港で離着陸が一時的に停止する事態も発生している。

イベント面では、東京・六本木や大阪・道頓堀で予定されていたクリスマスイルミネーション点灯式が雨天中止となったほか、京都の「嵐山花灯路」も24日の夜は参加者を制限。観光協会は「安全最優先で、雨天時は中止または縮小を検討せざるを得ない」とコメントしている。

防災面では、気象庁が「大雪・暴風・高波」の注意報を広域で発令。特に新潟県や富山県、石川県では、26日に向けて「特別警報級の事態」が発生する可能性があると警告。市町村では除雪車の待機体制を強化し、高齢者施設への配達支援も急ピッチで進められている。

経済面でも打撃が広がっている。スーパーやコンビニでは、雨具・防寒具の売れ行きが急増。東京・銀座の傘専門店では「1日で通常の1週間分の在庫がなくなった」という。一方で、クリスマスケーキの需要は横ばいとなり、一部のホテルが「屋内プラン」に切り替える動きも出ている。


未来の天気はどうなる? 「不安定な冬」が新常態に

今後の見通しを気象専門家に聞くと、2025年1月も「寒暖の入り乱れ」が続くという見方