上野動物園

上野動物園の今／パンダの帰国、オグロプレーリードッグ再開…人気動物たちの現在地

日本を代表する観光スポットの一つである「上野動物園」。その動向は常に多くの人々の関心を集める。2025年現在、ここ上野動物園には、大きな節目を迎えようとしている動物たちの姿がある。最大の注目は、言うまでもなく双子のジャイアントパンダ、シャオシャオとレイレイの帰国の運命だ。一方で、長く姿を消していた人気者「オグロプレーリードッグ」の展示再開という、嬉しいニュースも伝えられている。この一見相反するような二つの出来事は、現代の動物園が抱える課題と可能性を象徴している。本稿では、最新の信頼できる情報に基づき、上野動物園の現在地と未来を読み解いていく。

注目の焦点：双子パンダ・シャオシャオとレイレイの旅立ち

上野動物園の歴史において、2021年6月の双子パンダの誕生は空前の快挙だった。父が「カンカン」、母が「シンシン」。その愛らしい姿は、コロナ禍の厳しい時代に多くの日本人的心の支えとなった。名前の由来が「愛」を意味する「シャオシャオ（小小）」と「玲」を意味する「レイレイ（玲玲）」という、両親の名前から取られたこの双子は、すぐに人気の的となった。

しかし、ジャイアントパンダは中国固有の種であり、日本の飼育下での誕生はあくまでレンタル契約に基づくものだ。契約上、生後一定期間が経過したのち、中国へ帰国させなければならない。この点が、現在の上野動物園における最大のトピックとなっている。

〈まもなく旅立ち〉の現実

CREA WEBの記事「〈まもなく旅立ち〉上野の双子パンダ・シャオシャオとレイレイは帰国後どうなる？日本のパンダが中国でも人気の“納得の理由”」が示す通り、双子の帰国は目前に迫っている。同記事では、単なる物理的な移動以上の意味合いを以下の点から指摘している。

日本のパンダブームの評価: 日本での飼育と双子の誕生は、中国国内でも大きな話題を呼び、中国のSNSWeibo（ウェイボー）等でトレンド入りした。これは、日本の丁寧な飼育管理と、双子の成長を追う国民的な熱意が、逆輸入される形で中国での人気を確固たるものにした証拠だ。
帰国後の役割: 帰国後、シャオシャオとレイレイは、繁殖プログラムの一端として、新たな命を授かるためのパートナーを探す旅を始める。これは、個体の生涯を動物園が管理するだけでなく、種の保存という大きな文脈の中で役割を担うことを意味する。

この「旅立ち」は、上野動物園にとって、一つの輝かしい成果の完結であると同時に、新たなステージへの移行でもある。

新たなWillAppear：オグロプレーリードッグの再開

パンダの去就とは対照的に、上野動物園には新たな動きもある。東京都の公式ポータルサイト「My TOKYO」が発表した情報によると、2025年12月9日から「オグロプレーリードッグ」の展示を再開することが決定した。

オグロプレーリードッグは、その名の通り背中にオグロのような黒い斑紋を持つプレーリードッグで、愛らしい仕草から人気が高い。展示再開の背景には、個体の健康状態や、飼育環境の整備など、動物福祉に配慮した慎重な対応があると推測される。この再開は、多様な動物たちと向き合う上野動物園の仕事の継続性を示すものだ。

なぜ今、オグロプレーリードッグなのか？

動物園の展示は、単に「見せる」ためだけにあるのではない。絶滅危惧種の保全活動への参加（環境省やIUCNなどのレッドリスト情報を参考に）、飼育員の技術向上、そして何より、来園者、特に子どもたちに、多様な生態系の一端を実感してもらうことにある。

オグロプレーリードッグの再開は、パンダという巨大的な存在の陰に隠れがちな、他の動物たちの魅力も同時に再認識する機会を提供してくれる。