宇良

大の里、7連勝！無敗の快進撃で迫る新横綱の壁と豊昇龍の追撃【九州場所】

大相撲の九州場所が過熱を深める中、最も熱いスポットライトを浴びているのは、新入幕・大の里无疑（だいのり ただね）の存在感である。9日目まで無敗の7連勝を誇る大の里の快進撃は、単なる勝ち越し以上の意味を持つ。その裏で、白星の差は詰まらず、現役最強の横綱・豊昇龍（ほうしょうりゅう）もまた、自分の土俵を死守しながら追撃の手を緩めていない。

本日は、大の里の圧倒的な強さの秘密と、その裏で繰り広げられている豊昇龍との熾烈な白星争い、そしてこの二人の対抗軸が大相撲界に与える影響について、最新の公式情報に基づいて深掘りする。

無敗の新星、大の里が魅せる「型破り」の強さ

今場所、大の里の活躍はまさに「異色」の代名詞だ。9日目時点で7連勝・無敗という成績は、新入幕力士としては類稀なるスタートである。

土俵際の強さと「大の里マジック」

読売新聞の報じるところによると、7日目に琴ノ若（こ のわか）を破った際、大の里は「土つかず」での勝利を収めた。これは、両者が土俵の縁まで追い詰められ、転落寸前で相手を投げ飛ばした、まさに神業的な勝負術だった。

大の里の心境（スポニチアネックスより） 「もう少し厳しくやっていきたい」

しかし、その発言の背景には、7連勝という絶好調の流れがある。本人は「まだまだ」と謙遜するも、その相撲内容は「これでどうする」と言わんばかりの破壊力を持っている。

大の里の強さの特徴は、その意外性にある。巨体を活かした寄り切りだけでなく、手の内が合わない状況での鋭い足技や、土俵際での冷静な形勢判断。まるで「闘志」が肉体を超越して動いているかのような、型にはまらない相撲は、ファンを魅了し続けている。

横綱豊昇龍、冷静な追撃と「玉鷲」との死闘

一方、大の里の快進撃の陰で、横綱・豊昇龍もまた、自分のペースを崩していない。豊昇龍は、大の里に1勝差で迫る6勝目を挙げた。

「玉鷲」との突っ張り合戦

日本経済新聞が伝える9日目の相撲は、豊昇龍対玉鷲（たまさぎ）の対戦だった。この試合は、寄り切りと突っ張りの応酬が繰り広げられる、まさに「力のぶつかり合い」。

豊昇龍は、玉鷲の猛攻を冷静に見極め、最後は自らの強さでねじ伏せた。この勝利は、単なる白星にとどまらない。大の里が快進撃を続ける中で、トップの座を明け渡さないという横綱としての矜恃を国内外に示す、重要な一勝だった。

豊昇龍の動き（日経電子版より） 「冷静にらみ合い」を制した豊昇龍は、大の里との対戦に向けたリーーダーの威厳を保ったままである。

琴桜の不振と三役争いの行方

大の里と豊昇龍の好調とは対照的に、かつての新星・琴桜（こさく）は苦戦が続いている。9日目時点で5敗目を喫し、勝ち越しが危うい状況だ。

かつては大の里と並んで注目された琴桜だが、今場所は調子が上がらない。这也从侧面凸显了大の里の好調がいかに異例のものであるかを物語っている。

なぜ今、大の里と豊昇龍の話題が注目されているのか？

単なる勝敗のレースだけでなく、この二人の存在は大相撲界の「今」を象徴している。

新横綱誕生への布石

大の里がこのまま無敗をキープし、優勝を決めれば、その勢いは計り知れない。新入幕での優勝は、かつて千代の富士や曙が成し遂げた「大記録」として語り継がれる可能性が高い。

しかし、現在の横綱・豊昇龍は、そんな大の里の牙城を容易く崩さない強さを持っている。豊昇龍は、大の里が台頭してくるたびに、まるで「待ってました」とばかりに自身の強さを発揮してきた。

この「新星」と「最強」の火花散る戦いが、今後の番付運を大きく左右する。もしこの場所で大の里が豊昇龍を破れば、来場所の番付は一変する。大の里は大関昇進目前の西関脇に浮上し、豊昇龍の牙城に直接挑む立場を得る。

九州場所の行方と今後の展望

9日目終了現在、大の里は7連勝、豊昇龍は6勝1敗（1休）。残りの取組が楽しみになる展開である。

予想される残りの取組

大の里の今後の対戦相手は、より上位の力士が控えており、これまで以上に厳しい壁が立ちはだかる。特に、豊昇龍との直接対決が実現するかどうかが、最大の見どころだ。

豊昇龍側から見ても、大の里を放っておくわけにはいかない。横綱としての威信をかけた取組が、場所後半の見どころを決定づけるだろう。

まとめ：大相撲界の新たな季節の到来

9日目現在、大の里の7連勝と無敗の快進撃は、大相撲界に新風を吹き込んでいる。その強さは、単なるパワーゲームを超え、知略と闘志の塊である。

一方で、横綱豊昇龍の冷静かつ粘り強さもまた、見逃せない。彼は、大の里という新たなライバルの出現により、自身の強さを試されているのかもしれない。

今後の展開次第では、この九州場所が、歴史に残る名場所の一つとして語られる可能性が高い。大の里が「新横綱」への道を歩み始めるのか、それとも豊昇龍が「最強」の座を死守するのか。残りの数日間、土俵の結果に目が離せない。