義ノ富士

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義ノ富士が新鋭戦線に旋風!「3勝目」と「先輩との初対戦」に込めた本音

相撲界の新星が、静かに、しかし確実にその名を刻みつつある。その名は「義ノ富士(よしのふじ)」。2024年11月、西前頭17枚目で迎えた初日から3連勝をマークし、一気に注目を集めた力士だ。かつては「草野(くさの)」の名で知られていた彼は、2024年11月場所を目前に改名を決意。その背景には、ただ者ならぬ想いが秘められている。

「もっと下から、じっくり育てていきたい」。新鋭戦線を勝ち進むその姿は、単なる「勝ち星」の物語ではない。下位からの登竜門である三段目脱出と、その先にある十両昇進を目指す、ある種の「職人気質」な力士の軌跡を追う。

新鋭戦線の旋風、義ノ富士の「3連勝」とは

2024年11月の場所、義ノ富士は西前頭17枚目で迎えた初日、土俵開けとなる3日目まで白星を重ねた。この3連勝は、単なる数字ではない。三段目から十両を目指す「関取目前」の位置づけで迎えたこの場所において、序盤の勢いがいかに重要かは言わずもがなだ。

Yahoo!ニュースが伝えるところによると、3連勝の快進撃を飾った義ノ富士は、その土俵後のインタビューで「もっと下から」という意外な言葉を口にした[^1]。おそらく、十両や幕内を目指す中で、焦りを感じる場面もあったのだろう。しかし、彼の目指す的是つ、もっと基礎を固め、盤石な相撲を取るための「下積み」の重要性を再認識しているようだ。

親方の「安心」と「期待」

師匠である伊勢ノ海親方(元大関・旭天鵬)は、義ノ富士の3連勝についてどう考えているのだろうか。報道によれば、親方自身は「(3連勝で)少しは安心した」と語っている[^1]。しかし、それ以上に、11月6日(金)の6日目、大先輩である千代白鵬(ちよしろほう)との初対戦が控えていることへの気構えを強調した。千代白鵬は、千代ノ部屋の「大先輩」的存在だ。

義ノ富士自身も「大先輩との初対戦は緊張します」と語っている[^1]。しかし、その緊張感こそが、彼を更高いレベルへと押し上げる燃料となるに違いない。

土俵での義ノ富士の相撲姿

「草野」から「義ノ富士」へ。改名に込めた想い

彼の名が「義ノ富士」となったのは、この2024年11月場所が初めてである。それまでは「草野」の名で知られていた。東京新聞の記事によれば、彼が改名を決意したのには、複雑な事情がある[^3]。

もともと「草野」の四股名は、彼がまだ三段目付出の身分だった頃に、師匠から「草野球」という言葉をヒントに名付けられたもの。しかし、その「草野」という名前は、近年、相撲界内外で不祥事を起こした力士(元大関・草野)と同一であった。義ノ富士は、その事実を知り、「別の名前がいい」と師匠に直談判したという。

「番付とともに育てていきたい」

改名の際に、親方から提示されたのが「義ノ富士」だった。師匠の名「伊勢ノ海」の「ノ」や、元横綱・二葉山の「富士」など、由緒ある文字が使われている。しかし、義ノ富士自身は、この新しい名前に対して「まだ重い」と感じているようだ。

「まだ重いです。番付とともに育てていきたい」 (東京新聞の記事より[^3])

この言葉には、一夜の花としては咲きたいわけではない、という覚悟が感じられる。十両や幕内という高い番付に「名前」が追いつくまで、自分自身を磨き続けるという意志の表れだ。24歳の新鋭が、いかに相撲人生を真剣に受け止めているかが伝わってくる。

原点回帰!? 土俵際の「寄り切り」の強さ

義ノ富士の相撲の特徴として、近年、脚光を浴びているのが「土俵際の強さ」だ。

時事ドットコムが公開した画像によれば、義ノ富士は相手を土俵際まで運び、最後は「寄り切る」形で白星を納める場面が多々見られる[^2]。これは、単なる偶然ではない。彼が日頃から、土俵際の踏み込みや、相手を押し出す「寄り」の技術に磨きをかけている証拠だ。

元々、彼はその体格(身長178cm、体重135kg)から見ると、小兵の部類に入る。そのため、大柄な力士のように、遠くから圧倒的な力で押し出すというわけにはいかない。その分、相手との接触後の押し合い、そして土俵際での粘りが勝負を分ける鍵となる。

この「寄り切り」の強さは、単に三段目や前頭下位での勝ち方だけに留まらない。将来的に十両や幕内といった、より高いレベルで戦うためには、絶対に必要なテクニックだ。この部分を磨くことで、彼の「下から育てる」という哲学が、結果として形になり始めているのである。

義ノ富士のプロフィールと経歴

改名と現在の活躍の背景を理解するために、彼の経歴を簡単に振り返っておこう。

  • 出身地: モンゴル国出身(本名:バヤルサイハン・バトジャルガル)
  • 生年月日: 2000年11月20日(24歳)
  • 身長・体重: 178cm、135kg
  • 入門: 伊勢ノ海部屋(師匠:元大関・旭天鵬)
  • デビュー: 2019年3月場所(序ノ口付出)

彼は、モンゴル出身でありながら、伊勢ノ海部屋という、モンゴル出身者も多く在籍する部屋の中で鍛えられてきた。師匠の旭天鵬は、元大関という高みを知った人物であり、その指導の下で、義ノ富士は今日の地歩を築いた。

「下積み」からの登竜門

彼のこれまでの道のりは、決して平坦ではなかった。入門してから数年間は、三段目付出の地位からスタートし、主に三段目で相撲を取る日々が続いた。関取の壁は厚く、一度でも足を滑らせれば、すぐにでも序二段や序ノ口にまで転落するリスクがある。

しかし、彼は粘り強く、かつ着実に番付を上げてきた。そして、2024年、遂に前頭(幕下)の土俵に立つまでに成長した。そして迎えたのが、この11月場所での「3連勝」である。これは、単なる快挙ではなく、長年の努力がようやく実り始めた瞬間と言えるだろう。

今後の展望:十両昇進へのハードル

義ノ富士が目指すのは、言うまでもなく「十両」の地位だ。現在、彼は西前頭17枚目。この位置