帯状疱疹

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帯状疱疹とは?症状や原因、治療法まで専門医が解説する「知っていると安心」の基礎知識

「突然、片側の体にピリピリと焼けるような痛みが走った」――。そんな経験をしたことはありませんか?もしかしたら、それは帯状疱疹(たいじょうほうしん)の初期症状かもしれません。近年、特に40代〜50代以上の世代を中心に、その発症が話題に上ることが増えています。

芸能人の中でも、俳優の古村比呂さんが2024年10月、がんの再発を心配する形でPET検査を受けたというニュースが報じられました。がん治療と並行して、免疫力の低下が懸念される状況下での出来事です。このニュースは、「免疫力」と「病気のリスク」という観点から、帯状疱疹という病気の存在を改めて世間に認識させる結果となりました。

この記事では、増加傾向にある帯状疱疹の基礎知識から、最新の治療法、そして予防法まで、専門家の視点を交えながら詳しく解説します。気になる症状や、50歳を過ぎた方必見の予防接種の情報もまとめています。

帯状疱疹とは?その正体を知ろう

画像の説明

帯状疱疹の症状

帯状疱疹は、その名の通り皮膚に帯状の発疹が現れる病気です。原因は「水ぼうそう(水痘)」のウイルスである「VZV(水痘・帯状疱疹ウイルス)」が体内に殘り、免疫力が低下したタイミングで再活性化することで発症します。

水ぼうそうとの関係性

多くの方が子供の頃に罹患する水ぼうそう。一度治ったと思っても、ウイルスは体内(背骨の近くの神経節)に眠り続けています。そして、数十年後、疲労やストレス、加齢などをきっかけに、再び活動を始めます。これが帯状疱疹の正体です。

代表的な3つの症状

  1. 神経痛のような痛み: 発疹が現れる数日前から、患部にチクチク、またはズキズキとした痛みが生じます。虫刺われや筋肉痛と間違われることも多いです。
  2. 赤い発疹: 痛みの後に、体の片側(左側または右側)の神経の走行に沿って、赤い斑点が現れます。
  3. 水疱(水ぶくれ): 発疹の上に水疱が形成され、やがて破れて潰瘍になります。

重要なポイントは「左右どちらか片側」に症状が出ることです。体幹(胸・背中)が最も多いですが、顔(三叉神経)に発症した場合、目や耳に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、特に要注意です。

古村比呂さんのニュースから見える「再発」と「免疫力」のリスク

「奏効を祈り、それと同じくらいガンが見つかった時のことも考えます」 — 古村比呂さん(ライブドアニュースより)

古村比呂さんのニュースは、がん治療という極めて特殊な状況下における「免疫力」というテーマを浮き彫りにしました。がん治療(特に抗がん剤や放射線治療)は、がん細胞を攻撃する一方で、正常な免疫細胞も減少させてしまいます。

この免疫力の低下は、帯状疱疹発症の最大のリスク因子となります。がん患者さんや、移植後の免疫抑制剤を使用している方、あるいは現代社会に蔓延する「慢性的な疲労やストレス」を抱える方々にとって、帯状疱疹は決して他人事ではありません。

古村さんのPET検査受診というニュースは、帯状疱疹のような「再活性化疾患」が、根底にある健康状態(免疫機能)と密接に結びついていることを示唆しています。

早期発見・早期治療が鍵!後遺症を防ぐために

帯状疱疹は、発症してから3日以内に適切な抗ウイルス薬を内服すれば、症状を軽くすることができます。しかし、治療が遅れると、以下のようなリスクが高まります。

最も恐ろしい「帯状疱疹後神経痛(PHN)」

症状が治まった後も、患部に激しい痛みが残ることがあります。これが「帯状疱疹後神経痛」で、中には数年間も痛みに悩まされるケースもあります。高齢者ほど発症しやすく、痛みの強さも強いため、早期治療が唯一の予防策です。

その他の合併症

  • 顔面神経麻痺: 顔に発症した場合、顔が動かしにくくなることがあります。
  • 耳鳴り・難聴: 耳の周りの神経が侵されると起こります。
  • 脳炎: 極めて稀ですが、重症化すると脳に炎症を起こすこともあります。

「片側の痛み」に気づいたら、皮膚科への受診を急ぎましょう。

予防する方法:50歳からの「帯状疱疹ワクチン」

近年、帯状疱疹の予防において最も注目されているのが予防接種(ワクチン)です。

2種類のワクチン

日本では主に2種類のワクチンが承認されています。

  1. 生ワクチン(乾燥弱毒水痘・帯状疱疹ウイルス):
    • 1回の接種で済むため、手軽に予防ができます。
    • 効果は数年間持続すると言われています。
  2. 不活化ワクチン(シングリックス):
    • 2回の接種が必要ですが、効果が非常に高く、長期間持続します。
    • 50歳以上を対象としており、特に65歳以上での予防効果が期待されています。

医療機関によって取り扱いが異なりますので、受診の際に「帯状疱疹の予防接種をしたい」と相談してみましょう。特に50歳を過ぎたら、一度は予防の選択肢を検討することをお勧めします。

日常生活でできること:免疫力を高める習慣

予防接種だけでなく、日頃の生活習慣を見直すことも重要です。帯状疱疹は「疲労」が引き金になることが多いためです。

  • 十分な睡眠: 免疫機能は睡眠中に回復します。
  • バランスの良い食事: タンパク質やビタミンB群を意識して摂取しましょう。
  • 適度な運動: 散歩くらいの軽い運動で、血流が良くなり、免疫力が向上します。
  • ストレス解消: 趣味やリラックス法を見つけて、日々のストレスを溜めないようにします。

古村比呂さんのニュースをきっかけに、自身の健康状態と「免疫力」について一度立ち止まって考えてみる機会を作ることは、現代人にとって非常に有意義です。

まとめ

帯状疱疹は、誰にでも発症する可能性がある病気です。特に加齢やストレス、基礎疾患などによって免疫力が低下したタイミングで、体内に潜んでいたウイルスが暴れ出します。

症状が現れたら「Ƭ側の痛み」に注目し、すぐに専門医を受診すること。また、50歳を過ぎたら、ワクチンによる予防を医師と相談することが、痛みのない快適な未来を守る一番の近道です。

あなたの健康を守るために、正しい知識を持ち、適切な対策をとりましょう。