住友化学

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住友化学、逆転の好調が明確に:半導体材料需要で26年3月期見通し上方修正の深層

住友化学株式会社(東証プライム市場コード:4005)が発表した2026年3月期の業績予想の上方修正は、単なる数値の訂正を超えた意味を持つ。市場の予想を上回る純利益予想の引き上げは、同社の主力事業であるICT&モビリティソリューション、特に半導体プロセス材料における出荷増加に起因する。経済環境の不透明感が指摘される中、住友化学が示した逆転の好調は、半導体サプライチェーンにおける同社の存在感を改めて証明する結果となった。

確実な数字が語る業績回復:市場予想を上回る純利益

住友化学は2025年2月3日、2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の連結業績予想を上方修正すると発表した。特に注目すべきは純利益の見通しで、従来予想の450億円から550億円へと100億円上方修正した。これは前年比42.5%増の増益ペースに相当し、QUICKコンセンサス(アナリスト予想平均)の472億円をも上回る水準だ。

発表当日、市場は素早く反応した。決算発表を受けて住友化学株は上昇し、前日比11%高まで値を上げる場面も見られた。これは、業績予想の上方修正に加え、配当金の増額(1.5円増額)が好感されたためである。

山内利博 執行役員(オンライン会見より): 「半導体市場全体の回復基調に加え、当社のプロセス材料の競争力が評価された結果です。特にフォトレジスト(感光材)など、高付加価値製品の出荷が想定を上回っています。」

業績修正のポイント

  • 純利益:450億円 → 550億円(前年比42.5%増)
  • 営業利益:1600億円 → 1650億円(前年比14.5%減だが、減益幅縮小)
  • 売上収益:2兆2900億円 → 2兆3000億円(前年比11.8%減)

売上高は減少傾向にあるものの、利益率の改善が著しい。これは製造工程の効率化や、高マージン製品の販売拡大に成功したことを示唆している。

住友化学 工場 半導体材料 生産ライン

ICT&モビリティソリューションの起爆剤:半導体材料の伸長

住友化学の業績を押し上げた要因の中心は、セグメント別では「ICT&モビリティソリューション」における半導体関連材料の好調である。

近年、世界経済はコロナ禍からの回復と地政学的リスクの影響を受け、自動車や家電需要の減速が懸念されていた。住友化学も当初はこれらの事業環境の不透明さを考慮し、リスクを織り込んだ慎重な見通しを提示していた。

しかし、実際の事業活動は「順調に進捗」した。特に、半導体の回路形成に不可欠な「フォトレジスト」やその他のプロセス材料の出荷が増加した。これは、AI(人工知能)やデータセンター向けの先進的な半導体需要が底堅いことを示している。

製品の競争力

住友化学が手掛ける半導体材料は、極めて微細な回路パターンを正確に形成するのに不可欠な化学品だ。技術難易度が高く、参入障壁も高いため、一度採用されると長期にわたって安定した需要が見込める。今回の上方修正は、同社の技術力とサプライチェーンへの貢献度が評価された結果と言える。

歴史的背景と総合化学メーカーとしてのポジション

住友化学は1913年、住友財閥の肥料工場として発足した歴史を持つ老舗企業だ。現在は住友グループの中核を担う総合化学メーカーとして、アグロ&ライフ、ICT&モビリティ、アドバンストメディカルなど多様な分野に事業を展開している。

東証プライム市場に上場し、日経平均株価(Nikkei 225)の構成銘柄としても知られる同社は、単なる化学メーカーではなく、社会の基盤を支える「インフラ企業」としての側面が強い。

セグメント構成と事業ポートフォリオ

住友化学は主に4つのセグメントで事業を構成している。 1. ICT&モビリティソリューション:半導体材料、自動車関連材料、電子材料など。 2. アグロ&ライフソリューション:肥料、農薬、医薬品、食品素材など。 3. アドバンストメディカル:医療用検査薬、医療機器など。 4. 基礎化学・その他:石油化学製品、機能化学品など。

この多角的な事業ポートフォリオが、景気変動に対する耐久性を高めている。例えば、今回の業績好調は半導体が牽引したが、アグロセグメントでは安定した収益基盤を築いている。

市場への影響と株価動向

今回の業績予想上方修正が市場に与えた影響は大きい。まず、株価が前日比11%高まで急伸したことは、投資家からの信頼回復を意味する。

投資家心理の変化

従来の発表では「減益見通し」が示されていた(営業利益は前期比14.5%減)。しかし、減益幅が縮小し、純利益では増益に転じた点が評価された。特に、アナリスト予想の平均を上回る純利益550億円の見通しは、修正後も「上方修正余地あり」との見方を市場に与えた。

配当政策の持続性

配当金の増額も見逃せない要素だ。業績回復に伴い、株主還元を拡大する姿勢を示したことは、長期投資家にとって安心材料となる。

東京証券取引所 株価チャート 住友化学

経営環境の課題とリスク要因

好調な一方で、経営課題も依然として存在する。住友化学は売上収益を前期比11.8%減と予想しており、売上高自体は減少傾向を脱していない。

石油化学事業の構造的課題

住友化学のセグメント別では、基礎化学品や石油化学製品を扱う部門では厳しい状況が続いている可能性がある。エネルギー価格の高騰や、中国市場をはじめとする需要の減速が影響していると見られる。

半導体サプライチェーンの変動リスク

今回の業績好調の主因である半導体材料も、長期的な視点で見れば変動リスクをはらむ。半導体市場はサイクルが激しく、需要の過剰と不足を繰り返す傾向がある。住友化学は、特定のセグメントへの依存度を下げつつ、半導体ビジネスの持続的な成長を確保する必要に迫られている。

今後の

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