双日 レアアース
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双日、豪州レアアース輸入開始でEV・防衛産業の安定供給へ
はじめに:なぜ今「双日」と「レアアース」が注目されているのか?
2024年4月30日、日本最大の総合商社である双日(ふたひよし、東証一部上場:株価コード2768)は重要な発表を行った。豪州で生産された重希土類(レアアース)の輸入を正式に開始したと発表した。この動きは、単なる企業戦略ではなく、日本のハイテク産業基盤を支える「資源安全保障」の転換点として、国際的にも強い関心を集めている。
特に注目すべきは、「サマリウム」など希少性が高い中重希土類の輸入が中国以外の供給源から始まった点だ。これまで日本のレアアース需要のほぼ全量は中国から調達されており、米中対立の激化や過去の輸出規制強化を受け、「脱中国依存」のニーズは高まっていた。双日の新たな動きは、この課題に対する現実的かつ実行可能な解決策を提示している。

最新情報:双日の具体的な取り組みと時系列
● 2024年4月30日:豪州レアアース輸入開始
双日は、同社が出融資を行っているオーストラリアのレアアース大手Lynas Rare Earths Ltd(ライナス)が製造するレアアース(重希土類)について、日本国内向けの輸入を開始したと発表。特に、サマリウムの輸入が初めての試みである。
● 2026年後半までの計画:品目拡大と供給網強化
双日は2027年半ばまでに、豪州産の中重希土類を現状の2品目から最大6品目に増やすと明言。これにより、日本国内のレアアース需要の約3割に相当する量を、中国以外の安定供給網から確保する狙いだ。
● 国産レアアース開発への期待
双日は、南鳥島沖(東京都)の排他的経済水域(EEZ)内に埋蔵量世界3位とされる約1600万トンのレアアース泥を持つことから、「日本の資源商社」として国家戦略の柱の一つとして位置づけられている。
背景:なぜ「レアアース」は現代産業の“生命線”なのか?
レアアース(希土類)は、スマートフォン、電気自動車(EV)、風力発電機、最新兵器など、現代のあらゆるハイテク機器に欠かせない希少な鉱物資源。その名の通り、地殻に豊富に存在するわけではなく、特定地域にしか産出されないため、「現代産業の生命線」とも呼ばれている。
● 歴史的ショック:2010年のレアアース危機
2010年には、日本企業との貿易摩擦を理由に中国がレアアースの輸出を一時的に制限した。この出来事は日本の製造業に大打撃を与え、「レアアース・ショック」として記憶に残る出来事となった。双日の担当者は振り返り、「中国による輸出管理の強化はいずれ起こるだろうと思われていた。ただ、現実には我々が想定していたよりも早く、急激に起きた――」と語っている。
● 現在の課題:中国の独占と脱依存への動き
中国は現在、世界中のレアアースの生産量のほぼ90%を占め、特に加工・精製段階での圧倒的なシェアを誇る。このため、米中対立が激化した2023年以降、中国はさらなる輸出規制を強化する可能性が示唆されている。これに対し、日本を含む先進国は、レアアースの調達先を多角化し、自国での精製能力を強化するという方向へ動いている。
双日の戦略:具体的なアクションと国際的な連携
双日は単なる輸入代理店ではなく、資源安全保障のための戦略的投資と技術協力にも力を入れている。
● 豪州ライナスとの連携
双日は、豪州のレアアース企業「ライナス」に出融資を行い、彼らが西豪州にあるマウント・ウェルド鉱山で採掘するレアアースを日本に輸入する体制を整えた。これは、「調達先の多角化」だけでなく、「供給網の安定」を目的としている。
● 欧州との共同事業
さらに、双日はフランスと共同で、中重希土類の精製プロセスの研究開発を進めている。これにより、「自国で精製に動く」フランスとの連携を通じて、中重希土類における脱中国依存の動きが広がっている。
● 南鳥島の国産資源開発
双日は、南鳥島周辺の深海レアアース泥の商用化を目指しており、「日本の資源商社」として、権益確保・流通・国家戦略を支える投資を進めている。
影響と今後の展望:EV産業と防衛産業への波及効果
双日の新たな動きは、日本のハイテク産業に直接的な恩恵をもたらす。
● EV産業への貢献
電気自動車(EV)のモーターやバッテリーには、強力な磁石として使用されるネオジムなどのレアアースが不可欠である。双日の豪州からの輸入拡大は、EV製造コストの上昇を抑え、「中国EVの競争力低下」を背景に、日本の自動車メーカーが安定したレアアース調達環境を確保できる助けとなる。
● 防衛産業への安定供給
最新の戦闘機やミサイル、電子戦装備など、現代の防衛装備にはレアアースが大量に使われる。双日の供給網多角化は、「防衛産業の安定供給」を守る上で極めて重要であり、国家安全保障の観点からも注目されている。
● 投資家へのメッセージ
年初から上昇傾向にある双日(2768)は、レアアース銘柄の中でも特に注目される存在となっている。「レアアースの需要が高まる中、中国による輸出管理の強化はいずれ起こるだろうと思われていた。ただ、現実には我々が想定していたよりも早く、急激に起きた――」。
結論:日本の資源安全保障を支える双日の挑戦
双日の豪州レアアース輸入開始は、「資源安全保障」の観点から見て、日本のハイテク産業が直面する最大の課題である「中国依存」を打破するための重要な一歩だ。EV産業や
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