楽天 決算

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楽天グループの2025年12月期決算:7年連続赤字の現状と未来への挑戦

2026年2月12日、日本最大のインターネット企業である楽天グループ(東証プライム市場:4755)は、2025年12月期の連結決算を正式に発表した。この決算は、経営陣が「AI戦略」を軸に事業再編を進める中で公表されたものであり、多くの注目を集めた。しかし、実際には最終損益が1778億円の赤字となり、前年同期比で赤字幅が拡大しており、7年連続の最終赤字を記録する結果となった。

この決算結果は、楽天の長年にわたる経営課題を浮き彫りにしただけでなく、今後の成長戦略や資金繰りの方向性についても深い問いを投げかけている。本稿では、最新の決算データを踏まえ、その背景から影響、そして将来への展望までを詳細に解説する。


主要事実:なぜこの決算が注目されたのか?

楽天グループの2025年12月期決算は、以下の3つの点から特に注目された。

  • 7年連続の最終赤字:前年同期(2024年12月期)の1624億円の赤字よりも悪化し、過去最多額となる1778億円の赤字を計上。
  • 減損損失305億円の計上:楽天シンフォニーのOpen RAN事業および物流事業において、事業立ち上げの遅れや需要不足により固定資産の減損が生じた。
  • 今後の業績見通しの非開示:26年12月期(2026年度)の業績予測を一切示さないという異例の措置が取られた。

これらの事実は、単なる数字の変動にとどまらず、楽天が直面する構造的課題や投資家からの信頼回復の難しさを示唆している。


最新情報と時系列の経緯

2026年2月12日:決算発表当日の要点

  • 売上収益:前年同期比10%増の2兆4965億円。主に楽天市場、楽天モバイル、楽天カードの各事業が好調だった。
  • 最終損益:1778億円の赤字(前期比+154億円)。
  • 減損損失:楽天シンフォニーのOpen RAN事業(約205億円)と物流事業(100億円超)に関連する計305億円を「その他の費用」として計上。
  • 財務諸表:国際会計基準(IFRS)に基づく連結決算。

※出典:日本経済新聞、かぶたん、ケータイ Watch

同日、楽天は26年12月期の業績予測を非開示と明言。これは、経営環境の不確実性が極めて高いことを示すものとして、投資界で強い懸念が寄せられた。

前回決算(2024年12月期)との比較

項目 2024年12月期 2025年12月期 変動
売上収益 2兆2679億円 2兆4965億円 +10%
最終損益 -1624億円 -1778億円 -154億円(悪化)
営業利益 +1211億円 +1389億円 +178億円(改善)

※出典:Nikkei、株探ニュース

営業利益は逆に改善しているが、評価益の反動(前期に計上した外貨建て社債のデリバティブ評価益364億円が今期にはなくなった)により最終損益は悪化。これは、楽天が過去に為替レート変動を狙った金融商品で巨額の評価益を計上していたことを示している。


背景:なぜ楽天は赤字を続けるのか?

楽天グループの長期赤字の要因は複数あり、近年の経営戦略の転換点と重なっている。

1. モバイル事業の苦境

楽天モバイルは、大手キャリアとは異なる独自SIM方式を採用し、低料金プランで競争してきた。しかし、ネットワーク品質の課題や顧客離れが続き、2025年12月期でもモバイル事業は赤字となっている。一方で、赤字幅は縮小傾向にあるとされている。

2. AI戦略への大規模投資

近年、楽天はエージェント型AI「Rakuten AI」の開発・導入を加速させている。特に、楽天市場の店舗運営者向けに提供されるRMS AIアシスタントは、月間利用店舗数が2.3万店舗に達しているという成果を上げている。

しかし、こうしたAI人材の育成やクラウドインフラへの投資は、短期的にはコスト増につながっており、利益形成には時間がかかっている。

3. 楽天シンフォニーとOpen RAN事業

楽天シンフォニーは、楽天がグローバル展開を目指す通信インフラ事業体。Open RAN(O-RAN)技術を用いたネットワーク構築を推進しているが、事業立ち上げが遅れ、想定以上の成長が見込めないと判断され、減損損失が計上された。

「Open RAN市場は急激な成長が見込まれていたが、各国の標準化が進みすぎず、需要が出てこない状況だ」と、関係者は分析する。

4. 物流事業の低迷

楽天ジャパンクールド(物流)事業も、荷物量の減少を理由に100億円以上の損失を計上。EC業界全体の成長鈍化や、大手物流会社との競争激化が影響している。


即時的な影響:市場・投資家・消費者への波及

投資家からの反応

  • 株価下落圧力:決算発表直後、東京株式市場の楽天株は大引けで安値に終えた。
  • 信用格付けの再検討:一部機関は、有利子負債の高さや資金繰りの不安定性を指摘し、格付け見直しの可能性を示唆。

経営陣の対応

CEOの三木谷浩史氏は記者会見で、「AI時代のビジネスモデル再構築を最優先課題とし、今期の赤字は一時的なものだ」と強調。また、社債返済計画の加速や、楽天カードの上場準備を通じた資金調達強化を打ち出している。


将来の展望:楽天の次の一手は?

楽天グループは、2026年以降、以下の3本柱で経営を転換していく方針を表明している。

1. 楽天カードの上場

楽天カードは国内最大級のクレジットカード会社。上場により、新たな資金調達手段

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