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箱根駅伝を彩る“白バイ”の進化:トヨタ・センチュリーFCEVが示す未来の姿

毎年新春、全国の視聴者を惹きつける大試合、箱根駅伝。そのハイライトの一つが、優勝チームが乗る「優勝監督車」を先導する「白バイ」の姿だ。2022年(令和4年)の第98回大会では、この白バイに新たな命が吹き込まれました。那就是、水素燃料電池で走るトヨタの旗艦モデル、「センチュリー」が本部車として選ばれたのです。このニュースは、単なるマシンチェンジではなく、日本のモータリゼーションの未来を暗示する出来事として、多くの人々の注目を集めました。

本記事では、箱根駅伝と深い縁を持つトヨタ車、そして最新鋭の技術を結集した「センチュリーFCEV」の魅力と、その背景にある自動車産業の動向に焦点を当てます。なぜ、この一大イベントにトヨタ車が必須なのか、そして水素社会の扉を開くその先頭に立つセンチュリーの役割とは何か。最新の公式情報に基づき、詳しく解説します。

箱根駅伝とトヨタの「最強コンビ」が生む歴史的瞬間

箱根駅伝は、単なる駅伝レースではありません。日本の新年の風物詩であり、スポーツ文化そのものです。そのセレモニアルな部分を担っているのが、優勝監督車を先導する白バイです。この白バイは、高速でコースを走りながらも、優勝チームの監督や選手の心を安全かつスピーディーに目的地へと導く、非常に重要な役割を果たしています。

その白バイの選定は、極めてシビアです。信頼性、走行性能、そして何より「日本のため」を象徴する存在でなければなりません。長年、この役目を担ってきたのがトヨタの商用車、特に「ハイエース」でした。しかし、2022年の第98回箱根駅伝で、トヨタは一つの大胆な決断を下します。本部車として「センチュリー」と「GRスープラ」を投入したのです。

中心となったのは、水素で走る「センチュリーFCEV」。車両後部に水素タンク、フード内に燃料電池スタックを搭載し、排気管からは水滴しか出ない究極のクリーンカーです。この選定は、トヨタの「水素社会実現」という夢が、日本のトップアスリートたちが集うこの聖域で初めて公の舞台に上がったことを意味します。

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なぜ今、箱根路に「水素」なのか? その技術的背景

トヨタが、歴史的に「ガソリンエンジン」の匠として知られる箱根駅伝に、あえて「水素」を推したのには理由があります。それは、単なるPR以上の意味があります。

トヨタの次世代技術のデモンストレーション

第98回大会で本部車として走ったセンチュリーFCEVは、トヨタが誇る最新技術の結晶です。特に注目すべきは、パワートレインの小型化と軽量化です。従来のFCEV(燃料電池車)は、大型の水素タンクやモーターが必要で、車両設計に制約がありました。しかし、センチュリーFCEVに搭載されている「第3世代燃料電池システム」は、タンクの搭載位置を工夫し、燃費も大幅に向上させています。

「なぜ箱根駅伝は『トヨタ車』なのか?」という疑問に対する答えは、この技術力にあります。長距離、勾配、そして寒冷地といった過酷な条件をクリアし、常に安定した走行性能を発揮することが求められる箱根路。その環境でこそ、トヨタの「水素」の強みを世に知らしめたいという意図が透けて見えます。

トヨタ社長・豊田章男氏のメッセージ

この選定には、トヨタ社長(当時)である豊田章男氏の強い想いが込められています。彼は、 motorsports との関わりを深め、技術の向上と普及に努めてきました。特に「水素エンジン」を搭載したレーシングカー「カローラハリケーン」を用いた参戦経験があり、その延長線上で、実用車両であるセンチュリーFCEVを箱根駅伝という公開の場で走らせることで、水素の持つ「走る楽しさ」と「環境性能」の両立をアピールしました。

センチュリーFCEVの“凄さ”を紐解く

「FCEV」という言葉を耳にしても、その実態を詳しく知る人は意外と少ないかもしれません。センチュリーFCEVが、ただの「エコカー」としてではなく、世界でもトップクラスの高級車としてどのような価値を提供しているのか解説します。

驚異の静粛性と加速性能

FCEVの最大の特徴は、電気自動車(BEV)と同様に、モーターで動く点です。しかし、BEVが大きなバッテリーを積むのに対し、FCEVは水素と酸素を化学反応させて電気を作り出します。これにより、発電時に出る振動や騒音がほとんどありません。走行中、車内はまるで図書館のように静かです。その上、瞬間的なトルクが非常に大きいため、重い車体をスムーズに加速させます。この「静かで力強い走り」は、優勝監督車としての威厳にもぴったり合います。

メンテナンスのしやすさと長距離走行性能

BEVの課題である「充電時間」と「航続距離」。特に長距離を走らなければならない箱根駅伝の本部車にとって、これは死活問題です。センチュリーFCEVは、ガソリン車と同程度の時間で水素を充填でき、一度の充填で長距離を走行できます。これは、業務用としての実用性、つまり「優勝監督車」としての信頼性に直結します。

水素タンク センチュリー FCEV エンジンルーム

現在の動き:「トヨタ」から「日野」へ、白バイの交代劇

箱根駅伝の白バイ役を巡っては、2024年現在、大きな動きがあります。前回の第100回大会までをトヨタが担ってきた役割は、2025年1月開催の第101回大会からは、 commercial vehicle に強みを持つ「日野自動車」(トヨタグループ)に引き継がれることが発表されています。

新しい白バイ「日野・プロレア」の投入

日野自動車は、2024年6月19日、第101回箱根駅伝の大会本部車両「日野・プロレア」の提供を発表しました。これは、従来のトヨタ車から、より商用車としての機能性を高めたモデルへの交代です。

日野が提供するのは、大型トラック「プロレア」のショートホイールベースバージョン。トヨタがハイエースやセンチュリーで担ってきた役割を、より強固な走行性能と積載能力で支える体制に入ります。この交代劇は、単なる車両の変更ではなく、日本のモータリゼーションにおける「商用車」の重要性を再認識させる出来事でもあります。

箱根駅