朝乃山
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朝乃山の牙が再び光る!545日ぶりの幕内勝利とその先に見えるもの
大相撲の土俵で、かつてないほどの熱気と期待が再び高まっている。その中心にいるのは、元大関・朝乃山浩之(あさのやま ひろゆき)選手だ。2026年1月12日、東京・両国国技館で行われた大相撲初場所2日目、朝乃山は大関・貴景勝光希を破った。この一瞬の勝利が、彼にとって整整545日ぶりとなる幕内勝利となったのだ。
この勝利は単なる一試合の結果を超えて、長きにわたる負傷と闘う現役力士の執念の証として、ファンやスポーツ関係者に大きな感動と希望を与えた。本記事では、その歴史的瞬間の詳細から、彼の闘いの背景、そしてこれからの展望まで、最新の公式情報に基づいて詳しく解説する。
待望の白星、その瞬間を振り返る
「元大関・朝乃山が545日ぶり幕内勝利」——この一言が象徴する重みは計り知れない。2026年初場所、2日目の対戦相手は、同じく大関経験者である貴景勝光希。序盤の激しい動きから、互いの息が詰まる攻防が繰り広げられた。そして、朝乃山が見事な立ち合いから土俵際での粘りを見せるや、貴景勝を体勢を崩して外へと引き出しました。審判の「高瀬(たかせ)」のコールが響き渡ると、朝乃山は力強く両手を挙げ、久々の幕内勝利を確信したのだろう。
この勝利について、朝乃山自身は「現役だからほめられる」と控えめに語った。それは、現役を続けていること自体が評価に値する、という気負いの表れかもしれない。しかし、その言葉の裏には、長く苦しいリハビリの日々を経て、再び最高位の舞台で勝つことができたという無上の喜びが隠れている。
一方で、この試合を「一番素晴らしい相撲」と称えたのが、元大関で現在はコメンテーターとして活躍する貴景勝光希自身だ。対戦相手からのこの高い評価は、朝乃山の相撲内容がいかに質の高いものであったかを物語っている。
朝乃山浩之という力士の軌跡
その勝利の輝きを深く理解するために、彼の歩みを少し紐解いてみよう。朝乃山は、2011年1月場所で幕内最高優勝を果たすなど、大関昇進目前の実力者だった。しかし、その矢先に左膝前十字靭帯断裂という大怪我を負い、一度は現役を退いた。だが、彼の相撲への情熱は止まらない。2013年1月、年寄「高田川」の名跡を継承しつつ、26歳で大相撲に復帰を果たしたのである。
この異例の復帰劇は、日本のスポーツ史においても稀に見る感動的な物語として語り継がれている。以降も、古傷の膝と向き合いながらも、2018年には自身2度目の大関昇進を果たすなど、粘り強く土俵と向き合い続けてきた。
彼の相撲の特徴は、腰高で攻める鋭い出足と、土俵際での驚異的な粘りにある。その姿は、古傷を抱えながらも、あきらめずに前に進む姿に重ねて、多くのファンに勇気を与えてきた。その歩みは、まさに「何度でも何度でも」という言葉に象徴される。
長いブランクの背景と専門家の分析
なぜ、朝乃山の勝利がこれほどまでに長期間ブランクを経たのか。その背景には、深刻な膝の状態と、それに起因する相撲内容の変化があった。大関・貴景勝の解説(スポーツ報知)でも触れられているように、彼の膝は「長い相撲」に耐えられない状態が続いていたのである。
この点について、元大関でnownetコメンテーターの琴風豪規氏は、dメニューニュースの記事で鋭い分析を加えている。琴風氏は「光った速攻こそ朝乃山が生き残る道」とし、膝への負担が少ない、序の口から決着がつく速攻相撲への転換を提言した。また、彼の膝の状態を揶揄する「残った(音が残る)」というファンの間での噂についても、「聞くのは2回まで」と忠告し、その苦しさを示唆した。
琴風氏の指摘は、朝乃山の課題を的確に捉えている。彼の復帰後の相撲は、往年のように腰を重くして相撲を取るのではなく、いかに早く勝負を決め、膝への負荷を減らすかが鍵となっていた。今回の貴景勝戦も、その「速攻」が功を奏した好例と言えるだろう。
ファンと与えた衝撃と社会的な反響
545日ぶりの勝利がもたらした影響は、単なるスポーツニュースの枠を超えていた。朝日新聞の記事が伝えるように、初場所2日目の朝乃山の相撲には、多くのファンが感動の声を上げた。
「朝乃山、何度でも何度でも」という見出しに象徴されるように、彼の不屈の精神に共感する声が多かった。これは、スポーツファンに留まらず、社会全体で「諦めない姿勢」や「逆境からの再起」に寛大な眼差しが向いていることを示唆している。朝乃山の勝利は、自身のためだけでなく、同じく困難を抱える人々にとっての希望の光となったのだ。
今後の展望と残された課題
では、この勝利を機に、朝乃山の今後はどのように展開していくだろうか。彼の将棋盤上の位置は、まだ明確にはなっていない。しかし、いくつかの可能性が考えられる。
一つは、この勝利を糧に再び三役(小結・関脇・大関)への返り咲きを目指す道だ。琴風氏の助言通り、膝への負担を考慮した「速攻相撲」を徹底し、勝ち数を重ねる必要がある。ただし、その膝の状態が常に彼の足かせとなるリスクは常に存在する。
もう一つの可能性として、引退と年寄名跡継承への道が考えられる。彼は既に高田川の名跡を継承しており、現役を引退すれば、すぐに年寄として日本相撲協会に残る選択肢が開かれている。現役力士としての輝きと、年寄としての後進の指導。彼の今後の決断が、相撲界全体の動向にも影響を与える可能性は否めない。
まとめ:朝乃山の次なる相撲
2026年大相撲初場所、朝乃山浩之が見せた545日ぶりの勝利は、単なる白星を超えて、長く苦しい闘いの先にある希望を象徴する出来事だった。元大関・貴景勝からの「一番素晴らしい相撲」という賛辞は、その内容の高さを証明し、琴風氏のような専門家からは、今後のための貴重なアドバイスももたらした。
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