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JRA最年長記録を更新した柴田善臣騎手、59歳5ヶ月で見せた「年男」の意地と力量

2026年1月12日、中山競馬場で行われた特別レース(9R)「成田特別」。そのレースを制したのは、昨年末にJRA史上最年長記録を更新したばかりの柴田善臣騎手(59歳)でした。年明け初の勝利を、国内競馬の頂点であるJRA(日本中央競馬会)の最年長記録更新という形で飾ったその姿は、単なる「記録更新」以上のものを見せる、騎手という職業の本質を問うてきました。

59歳5ヶ月での勝利、JRAの歴史を塗り替えた瞬間

柴田善臣騎手が2026年1月12日、59歳5ヶ月14日でJRAのレースに勝利したことは、単なる「長寿記録」ではありません。それまで最年長勝利記録は柴田騎手自身が保持していた58歳10ヶ月でしたが、自らの記録を1年7ヶ月も更新する快挙でした。

この日、柴田騎手は中山競馬場の第9レース、成田特別(3歳以上2勝クラス、ダート1800m)にサンライズボルガ(牡3)に騎乗。スタートからハナを切る逃げ粘る展開で、後続の追撃をねじ伏せ、優勝しました。これが年明け初の勝利、そしてJRA史上最年長勝利記録の更新となりました。

騎手としての誇りと、厩舎への感謝

レース後のインタビューで、柴田騎手はこう語りました。「まずは厩舎の方が喜んでくれるのが一番。ダートのレースで、府中(東京競馬場)より中山のダートの方が得意。ここ数年、(記録更新を)意識して走っていたというより、『勝ちたい』という気持ちが強い」。

この言葉には、単なる記録竞走への執着ではなく、競走馬を勝たせる、という骑手としての本分を大切にする姿勢が伺えます。年齢を重ねたからこそ、そして史上最年長記録を更新したからこそ、その言葉には重みがあります。

柴田善臣騎手_勝利パドック

「最年長」という数字の裏側にある、並外れた身体能力

59歳という年齢は、一般的に現役競技者としては超高齢です。しかし、JRAの騎手は「定年制」がなく、60歳を超えて現役を続ける者もいます。しかし、現役で勝ち星を上げ、記録を更新することは至難の業です。

騎手の長寿レース

JRAの公式記録では、最年長勝利記録は柴田騎手が更新するまで、2020年に自身が58歳10ヶ月で記録していました。それ以前には、的場均元騎手が58歳8ヶ月での勝利が記録されていました。まさに「長寿騎手」が競う世界で、柴田騎手は「最年長」の座を独り占めにした形です。

柴田騎手は2023年、58歳10ヶ月で史上最高齢勝利を記録した際、「お年寄りが現役でやっている、という見方もあるが、『まだやっていますよ』というアピール」と話していました。そのアピールが、59歳を超えた今もなお現役であるという事実につながっています。

なぜ、柴田騎手は長く現役を続けられるのか?

その秘訣は、常にトレーニングを欠かさない肉体管理、そして何よりも「馬との対話」にあるかもしれません。

59歳の肉体と、精神力

柴田騎手は以前、自身のトレーニングについて「自宅で筋トレを週3〜4回。1時間〜1時間半。腕立て伏せや腹筋、スクワットなど、基本的なものをやっている」と語っています。これは、騎乗時のバランス感覚や持久力、そして落馬などの衝撃に耐える筋肉を維持するための必須事項です。

しかし、それ以上に重要なのは、馬を知り尽くした「眼」です。逃げ脚が続く中、如何に馬の脚を溜め、残り300mで脚を伸ばすか。59歳の頭脳が生み出す、プロの騎手としての「勘」と「計算」が、若手騎手にはない「粘り」を生み出します。

JRA_競馬場_馬場

JRA界に与えるインパクトと、柴田騎手の今後

柴田善臣騎手の記録更新は、単なる個人の栄誉に留まりません。JRA界、そして競馬ファンに大きな影響を与えています。

若手騎手への影響と「勝負師」の本質

現役最年長記録を更新し続ける柴田騎手の姿は、若手騎手にとって大きな目標となると同時に、警鐘でもあります。「年齢を重ねただけでは勝てない」という現実と、「年齢を重ねてなお勝てる」という可能性を同時に示しています。

彼の騎乗スタイルは、若手のように力技ではなく、如何に効率よく馬を走らせるかという「知恵」の塊です。その「知恵」を59歳で発揮し続けること自体が、JRA界の宝物です。

今後の展望:最年長記録はどこまで更新されるのか?

柴田騎手は2026年4月で60歳の誕生日を迎えます。定年退職の概念がないJRAにおいて、彼がいつまで現役を続けるかは未知数です。

ただし、彼自身が「勝ちたい」という気持ちを隠さないこと、そして現実的に勝利できていることは、彼の現役継続の可能性を示唆しています。もしかしたら、60歳を超えてからも「最年長記録」は更新され続けるかもしれません。

まとめ:59歳の騎手が伝え続ける「競馬の熱さ」

2026年1月12日、柴田善臣騎手は「年男」として、そして「最年長記録保持者」として、ファンの前で勝利しました。その勝利の背景には、59年間培ってきた馬との信頼関係、そして現役を辞めないという強い意志があります。

「厩舎の方が喜んでくれるのが一番」という言葉は、彼の原点であり、最年長記録を更新し続けられる理由そのものです。JRAのレース場で、次は60歳の壁を越える姿を、競馬ファンは静かに、そして熱狂的に見守り続けるでしょう。