帯状疱疹ワクチン
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帯状疱疹ワクチン、いま知っておきたいこと:症状、予防、そして自治体による助成の現状
帯状疱疹(たいじょうほうしん)という言葉を最近よく耳にする、あるいは実際に身近な人が発症したという経験をお持ちの方もいるかもしれません。水痘(水ぼうそう)と同じウイルスによって引き起こされる帯状疱疹は、免疫力の低下などが原因で発症し、激しい痛みを伴うこともあります。近年、患者数が増加傾向にあると言われており、その予防策として注目されているのが帯状疱疹ワクチンです。この記事では、帯状疱疹の症状、予防としてのワクチン、そして自治体による助成の現状について詳しく解説します。
なぜ今、帯状疱疹ワクチンが注目されているのか?
帯状疱疹は、過去に水痘(水ぼうそう)にかかったことのある人であれば、誰でも発症する可能性があります。水痘・帯状疱疹ウイルスは、水ぼうそうが治った後も体内の神経節に潜伏し続け、加齢やストレス、疲労などによって免疫力が低下すると、再び活動を始め、帯状疱疹として発症します。
帯状疱疹の症状は、初期にはチクチクとした痛みやかゆみを感じ、その後、赤い発疹が現れます。発疹は水疱となり、やがてかさぶたに変わります。痛みは発疹が治った後も長期間続くことがあり、これを帯状疱疹後神経痛と呼びます。帯状疱疹後神経痛は、日常生活に支障をきたすほどの激しい痛みを伴うことも少なくありません。
高齢化が進む日本では、免疫力の低下した高齢者が増加しており、帯状疱疹の発症リスクも高まっています。また、働き盛りの世代でも、ストレスや過労によって免疫力が低下し、帯状疱疹を発症するケースが増えています。そのため、帯状疱疹の予防策として、ワクチンへの関心が高まっているのです。
帯状疱疹の症状とは?初期症状から合併症まで
帯状疱疹の初期症状は、体の片側の一部にチクチクとした痛みやかゆみを感じることです。多くの場合、痛みやかゆみを感じる場所に、数日後から赤い発疹が現れます。発疹は水疱となり、次第に数が増えていきます。水疱は破れてかさぶたになり、治癒するまでに数週間かかることがあります。
帯状疱疹の痛みは、個人差がありますが、一般的に強い痛みであることが多いです。特に高齢者の場合、帯状疱疹後神経痛に移行するリスクが高く、数ヶ月から数年にわたって痛みが続くこともあります。
帯状疱疹は、顔面や眼の周りに発症することもあります。顔面に発症した場合、顔面神経麻痺や難聴などの合併症を引き起こす可能性があります。また、眼の周りに発症した場合、視力低下や失明などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。
帯状疱疹は、早期に診断し、適切な治療を受けることが重要です。初期症状に気づいたら、早めに医療機関を受診しましょう。抗ウイルス薬を投与することで、ウイルスの増殖を抑え、症状の悪化を防ぐことができます。また、痛みに対しては、鎮痛薬や神経ブロック療法などが行われます。
帯状疱疹ワクチン:2種類のワクチンと効果
帯状疱疹を予防するためのワクチンには、現在、2種類のワクチンがあります。
- 乾燥弱毒性水痘ワクチン:水痘(水ぼうそう)ワクチンとして使用されているものと同じワクチンです。生ワクチンであり、1回の接種で済みます。50歳以上の方が対象です。効果は約50%とされています。
- シングリックス:不活化ワクチンであり、2ヶ月間隔で2回の接種が必要です。50歳以上の方が対象です。効果は約90%と高く、帯状疱疹後神経痛の発症リスクも低減できるとされています。
どちらのワクチンを選ぶかは、医師と相談して決めることが重要です。一般的に、効果の高いシングリックスが推奨されることが多いですが、基礎疾患のある方や免疫抑制剤を使用している方など、シングリックスの接種が適さない場合もあります。
ワクチンの接種費用は、医療機関によって異なりますが、乾燥弱毒性水痘ワクチンは約8,000円程度、シングリックスは1回あたり約20,000円程度です。シングリックスは2回接種が必要なので、合計で約40,000円程度の費用がかかります。
自治体による帯状疱疹ワクチン助成の現状:地域差と今後の展望
帯状疱疹ワクチンの接種費用は高額であるため、経済的な負担を感じる方も少なくありません。そのため、近年、帯状疱疹ワクチンの接種費用を助成する自治体が増えています。
しかし、自治体によって助成の有無や助成額、対象者などが異なるのが現状です。例えば、北海道新聞デジタルの報道によると、上川管内では、士別市では1.1万円の助成がある一方で、上川町では4,920円の助成にとどまっています。これは、各自治体の財政状況が異なるためです。
熊本県内では、高額な費用を市町村が助成する動きも見られます。熊本日日新聞社の報道によると、帯状疱疹ワクチンの定期接種化を目指し、予防と早期発見を推進しています。
このように、自治体によって助成状況が異なるため、お住まいの自治体の情報を確認することが重要です。自治体のホームページや広報誌などで確認することができます。
帯状疱疹ワクチンの定期接種化を求める声も高まっています。定期接種化されれば、接種費用が公費で負担されるため、経済的な負担を気にせずにワクチン接種を受けることができます。今後の動向に注目が必要です。
【動画解説】NHKが伝える帯状疱疹の増加とその症状
NHKのニュース動画では、帯状疱疹の増加とその症状について解説されています。動画では、帯状疱疹の症状や予防法、治療法などがわかりやすく紹介されています。
動画を見ることで、帯状疱疹に対する理解を深めることができます。特に、初期症状や合併症について知っておくことは、早期発見・早期治療につながります。
帯状疱疹ワクチン接種を検討する際の注意点
帯状疱疹ワクチン接種を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
- 医師との相談:ワクチン接種の適否や、どのワクチンを選ぶべきかなど、医師と相談して決めることが重要です。
- 副反応:ワクチン接種後には、発熱や倦怠感、接種部位の腫れや痛みなどの副反応が現れることがあります。これらの症状は通常、数日以内に自然に治まります。
- 費用:ワクチンの接種費用は高額です。自治体の助成制度を利用できる場合は、事前に確認しておきましょう。
- 効果:ワクチン接種によって、帯状疱疹の発症リスクを低減することができますが、完全に予防できるわけではありません。
まとめ:帯状疱疹から身を守るために
帯状疱疹は、誰でも発症する可能性のある病気です。予防のためには、ワクチン接種が有効ですが、費用や副反応など、注意すべき点もあります。お住まいの自治体の助成制度を確認し、医師と相談しながら、自分に合った予防法を選択しましょう。
免疫力を高める生活習慣も重要です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
帯状疱疹に関する正しい知識を持ち、適切な予防策を講じることで、健康な生活を送ることができます。