帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチン：知っておくべきこと、認知症予防効果、定期接種開始、種類、費用、副反応まで徹底解説

帯状疱疹ワクチンが今、大きな注目を集めています。その背景には、帯状疱疹の発症リスクだけでなく、認知症予防の可能性まで示唆される研究結果の発表、そして、2024年4月から開始された定期接種化があります。この記事では、帯状疱疹ワクチンに関する最新情報、認知症との関連性、ワクチンの種類、費用、副反応など、知っておくべき情報を網羅的に解説します。

なぜ帯状疱疹ワクチンが重要なのか？

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが、神経節に潜伏し、免疫力が低下した際に再活性化することで発症します。主な症状は、皮膚に現れる痛みを伴う発疹です。発疹は通常、体の片側に帯状に現れ、強い痛みを伴います。

帯状疱疹は、誰でも発症する可能性がありますが、特に50歳以上の方、免疫力が低下している方、ストレスを抱えている方は発症リスクが高まります。発症すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、重症化すると帯状疱疹後神経痛（PHN）という、長期にわたる神経の痛みが残る可能性があります。

帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の発症や重症化を予防するために有効な手段です。ワクチン接種により、帯状疱疹の発症リスクを大幅に減らし、PHNのリスクも軽減することができます。

最新情報：帯状疱疹ワクチンと認知症予防の関連性

近年、帯状疱疹ワクチン接種が認知症リスクを低下させる可能性を示唆する研究結果が発表され、注目を集めています。

CareNet.comの記事によると、学術誌「Nature」に掲載された研究で、帯状疱疹ワクチンを接種した成人は、接種していない成人に比べて認知症の発症率が20％低いことがわかったそうです。米テキサス大学ヒューストン健康科学センターの神経学教授ポール・シュルツ氏は、この研究結果を「新たな証拠」と評価しています。

スタンフォード大学医学部のPascal Geldsetzer氏らの研究（Nature, 2024年4月2日掲載）でも、帯状疱疹ワクチンを接種した高齢者は、接種しなかった高齢者に比べて認知症の発症リスクが20％低くなるという結果が報告されています。

これらの研究結果は、帯状疱疹ワクチン接種が、帯状疱疹予防だけでなく、認知症予防にも役立つ可能性があることを示唆しています。ただし、これらの研究はまだ初期段階であり、さらなる研究による検証が必要です。