牧野フライス
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牧野フライス、ニデックによる友好的とは言えないTOBの行方は?最新状況を徹底解説
工作機械メーカーとして知られる牧野フライス製作所(以下、牧野フライス)を巡り、ニデック株式会社(以下、ニデック)による株式公開買い付け(TOB)が大きな注目を集めています。当初、友好的な買収を目指していたニデックですが、牧野フライス側の意向とは相違があり、同意を得ないままTOBに踏み切るという異例の展開となっています。本記事では、このTOBの最新状況、背景、そして今後の展望について、詳細に解説します。
なぜ今、牧野フライスに注目が集まっているのか?
ニデックによる牧野フライスへのTOB提案は、株式市場と製造業界の両方で大きな話題となっています。2024年末にニデックが買収を提案して以降、両社は協議を重ねてきましたが、最終的に合意に至らず、ニデックは2025年4月4日からTOBを開始しました。日本企業が相手企業の経営陣の同意を得ないままTOBを実施するのは珍しく、その動向に注目が集まっています。
最新状況:ニデックによるTOB強行と牧野フライスの対抗策
ニデックは、1株1万1000円で牧野フライスの株式を買い付けるTOBを強行しています。これに対し、牧野フライスはTOBの延期を求めてきましたが、ニデックは「十分検討する時間があった」として、その要望を拒否しました。
牧野フライスは、ニデックのTOBに対抗するため、複数の企業から買収に関する初期的な意向表明書を受け取ったと発表しています。また、TOBの開始を5月9日以降に延期することをニデックに要請するとともに、延期しない場合には、既存株主に新株予約権を無償で割り当てるという対抗策の方針を3月19日に発表しました。これは、ニデックによる買収を阻止するためのポイズンピルと呼ばれる防衛策の一つです。
MONOistの記事によれば、牧野フライス労組はニデックに対し、春闘団体交渉の有無や交渉結果などについて質問状を提出しています。これは、TOBの実施によって従業員の労働条件や雇用に影響が出る可能性を懸念してのことと考えられます。
牧野フライスとはどんな会社?
株式会社牧野フライス製作所は、東京都目黒区に本社を置く大手工作機械メーカーです。マシニングセンタやフライス盤などの製造販売を手がけており、東証プライムに上場しています。キャッチフレーズは「クオリティ・ファースト」。金型・一般部品・航空機部品加工をトータルでサポートしており、幅広い製品ラインナップと独自の加工技術が強みです。
なぜニデックは牧野フライスを買収したいのか?
ニデックが牧野フライスを買収する目的は、工作機械事業の強化にあると考えられます。ニデックは、電気モーターの世界的な大手メーカーであり、近年は事業領域の拡大を目指しています。工作機械は、自動車、航空機、家電など、様々な産業の製造現場で不可欠なものであり、ニデックにとって魅力的な市場です。牧野フライスの高度な技術力とブランド力は、ニデックの工作機械事業を大きく飛躍させる可能性を秘めています。
TOBの背景:友好的買収から一転、敵対的買収へ?
当初、ニデックは牧野フライスに対して友好的な買収を提案していました。しかし、両社の間で意見の相違があり、最終的にニデックは牧野フライスの同意を得ないままTOBに踏み切るという異例の展開となりました。
日本経済新聞の記事によれば、牧野フライスはニデックに対し、TOBの延期を求めてきました。その理由として、牧野フライスは複数の企業から買収に関する初期的な意向表明書を受け取っており、これらの提案を比較検討するための時間が必要であると主張しています。
しかし、ニデックは牧野フライスの主張を受け入れず、TOBを強行しています。ニデックは、牧野フライスに対し「十分検討する時間があった」と主張しており、これ以上の延期は認められないという立場です。
この状況は、友好的買収から敵対的買収へと転換したと見ることができます。
TOB成功の可能性と今後の展望
ニデックによるTOBが成功するかどうかは、今後の株式市場の動向や、牧野フライスが提示する対抗策の効果、そして株主の判断に左右されます。
もしニデックがTOBを成功させれば、牧野フライスはニデックの子会社となり、ニデックの傘下で事業を展開することになります。一方、牧野フライスがTOBを阻止すれば、ニデックとの関係は悪化し、今後の事業展開に影響が出る可能性があります。
ニデックがTOB開始を強行したことで、今後、訴訟に発展する可能性も指摘されています。専門家は、牧野フライスが「1カ月だけ待ってほしい」と言っているだけで、無茶な要求ではないと指摘しており、対抗策発動には株主総会で決議を取るとも言っていることから、敗訴のリスクを考慮すれば、ニデックが延期に応じる可能性もあると見ています。
まとめ:今後の動向から目が離せない
牧野フライスを巡るニデックのTOBは、日本のM&A(企業の合併・買収)市場において、重要な事例となる可能性があります。友好的買収から一転、敵対的買収へと発展したこのTOBの行方は、今後の日本の企業買収のあり方に大きな影響を与えるかもしれません。今後の両社の動向から、目が離せません。
参考情報
- 春闘団体交渉の有無や交渉結果など、牧野フライス労組がニデックに質問状:製造マネジメントニュース: https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2504/02/news057.html
- ニデックの事前交渉なしTOB、予定通り実施へ 延期要望を拒否(朝日新聞): https://news.yahoo.co.jp/articles/31c6e00beaab268fb583c0b12c3eca51fcf54afc
- ニデック、4日から牧野フライスにTOB 同意ないまま: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF317D70R30C25A3000000/
- どうなる牧野フライスへの買収提案、ニデックTOBの「現在地」 | 日経クロステック(xTECH): (情報源未確認)
- 株式会社牧野フライス製作所: https://www.makino.co.jp/
- 牧野フライス製作所 - Wikipedia: [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A7%E9%87%8E%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82
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