帯状疱疹
Failed to load visualization
帯状疱疹、最新情報:ワクチン定期接種開始と認知症リスク低下の可能性
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、皮膚に赤い発疹と水疱が出現し、強い痛みを伴う病気です。高齢になるほど発症しやすく、80歳までに約3人に1人が経験すると言われています。近年、20代~40代の発症も増加傾向にあり、注意が必要です。
この帯状疱疹をめぐり、2024年4月から大きな動きがありました。それは、帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始されたことです。さらに、帯状疱疹ワクチン接種によって認知症のリスクが低下する可能性を示す研究結果も発表され、注目を集めています。
帯状疱疹ワクチンの定期接種がスタート
2024年4月から、帯状疱疹ワクチンの定期接種が全国で始まりました。これは、帯状疱疹の発症予防と重症化予防を目的とした国の施策です。
- 対象者: 原則として65歳
- ワクチン: 生ワクチンと不活化ワクチンの2種類から選択可能
川崎市では、約7万人を対象に帯状疱疹ワクチンの定期接種を開始しています。福岡市でも、発疹と激しい痛みを伴う帯状疱疹に対し、国や自治体の対策が大きく進んでいます。
下野新聞社の報道によると、患者数は増加傾向にあり、発症すると神経痛などの後遺症が残る可能性もあります。定期接種の開始は、これらのリスクを軽減するための重要な一歩と言えるでしょう。
帯状疱疹ワクチン接種で認知症リスクが低下?
ナショナル ジオグラフィック日本版の記事によると、帯状疱疹ワクチン接種によって認知症のリスクが低下する可能性を示す研究が複数発表されています。
英国ウェールズで行われた研究では、帯状疱疹ワクチン接種を受けた高齢者は、接種しなかった高齢者に比べて認知症の発症リスクが20%低いことが示されました。この研究結果は、米スタンフォード大学医学部のPascal Geldsetzer氏らによって「Nature」に掲載されました。
帯状疱疹ワクチンが認知症リスクを低下させるメカニズムはまだ解明されていませんが、帯状疱疹ウイルスが神経系に影響を与えることが知られており、ワクチン接種がその影響を軽減する可能性があると考えられています。
この研究の著者の一人は、「どの手段よりも効果的」と述べており、帯状疱疹ワクチン接種が認知症予防に貢献する可能性に期待が寄せられています。
帯状疱疹とは?症状と原因
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症します。子供の頃にかかった水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に潜伏し続けます。加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化し、帯状疱疹として発症します。
主な症状:
- 皮膚に赤い発疹と水疱が帯状に出現
- 強い痛み(神経痛)
- 発熱、倦怠感
発疹は、体の左右どちらか一方に現れることが多く、胸、背中、顔面、腕、足などに現れます。痛みは、発疹が出現する前から現れることもあり、チクチク、ズキズキ、焼けるような痛みなど、様々な表現で訴えられます。
治療が遅れると、帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれる慢性的な神経痛が残ることがあります。PHNは、数ヶ月から数年にわたって痛みが続くことがあり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
帯状疱疹の治療と予防
帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬による薬物療法が中心となります。抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑え、症状の悪化を防ぐ効果があります。早期に治療を開始することで、症状の軽減やPHNのリスクを抑えることができます。
痛みが強い場合は、鎮痛剤や神経ブロック療法などが用いられます。また、皮膚の炎症を抑えるために、ステロイド外用薬が使用されることもあります。
帯状疱疹の予防には、ワクチン接種が有効です。日本では、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類のワクチンが使用されています。
- 生ワクチン: 弱毒化したウイルスを使用。1回の接種で効果が期待できる。
- 不活化ワクチン: ウイルスを不活化したものを使用。2回の接種が必要だが、生ワクチンよりも効果が高いと言われている。
定期接種の対象となっている65歳以上の方はもちろん、50歳以上の方も任意接種でワクチンを受けることができます。
帯状疱疹、早期発見と早期治療が重要
帯状疱疹は、早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。発疹や痛みなどの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
特に、以下のような方は注意が必要です。
- 50歳以上の方
- 免疫力が低下している方(高齢者、糖尿病患者、がん患者など)
- 過去に水ぼうそうにかかったことがある方
- ストレスや疲労が溜まっている方
まとめ:帯状疱疹のリスクと対策
帯状疱疹は、誰でも発症する可能性のある身近な病気です。ワクチン接種や生活習慣の見直しなど、予防対策をしっかりと行い、健康な毎日を送りましょう。
帯状疱疹のリスクを減らすために:
- ワクチン接種を検討する
- バランスの取れた食事を心がける
- 十分な睡眠をとる
- 適度な運動を行う
- ストレスを溜めない
- 早期発見、早期治療を心がける
今回の記事では、帯状疱疹の最新情報として、ワクチンの定期接種開始と認知症リスク低下の可能性について解説しました。これらの情報が、皆様の健康管理に役立つことを願っています。
その他参考情報
- 帯状疱疹 - Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%AF%E7%8A%B6%E7%96%B1%E7%96%B9
- 帯状疱疹が20代~40代でも増加中…治療の遅れで顔面まひリスクも ...: (情報源は検証が必要)
- 帯状疱疹が治るまでの期間は?発症中の過ごし方や予防方法を医師がわかりやすく解説: (情報源は検証が必要)
- 帯状疱疹 (たいじょうほうしん)とは | 済生会: https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/shingles/
- 帯状疱疹の前兆や初期症状とは?治療やヘルペスとの違いについて|西春内科・在宅クリニック: (情報源は検証が必要)
- 帯状疱疹 - 基礎知識(症状・原因・治療など) | Medley (メドレー): https://medley.life/diseases/54ca82258305218e01830523
免責事項: この記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを提供するものではありません。帯状疱疹に関する具体的な相談は、必ず医療機関にご相談ください。
Related News
More References
釜萢敏日本医師会副会長が帯状疱疹について分かりやすく解説
日本医師会公式YouTubeチャンネルで帯状疱疹に関する動画を公開 日本医師会(会長:松本吉郎)は4月10日、公式YouTubeチャンネルで動画「かまやち先生に聞く 帯状疱疹について」を公開しました。 今回公開した動画 今回の動画は、本年4月1日から帯状疱疹ワクチンが定期接種化されたことを受けて、制作したものです。
帯状疱疹ワクチン接種者で認知症の発症リスクが20%低下-英 ...
帯状疱疹ワクチンは、痛みを伴う発疹の予防だけでなく、認知症の発症から高齢者を守る効果もあるようだ。新たな研究で、英国のウェールズで帯状疱疹ワクチンが利用可能になった際にワクチンを接種した高齢者は、接種しなかった高齢者に比べて認知症の発症リスクが20%低いことが示された。米スタンフォード大学医学部のPascal Geldsetzer氏らによるこの研究の詳細は、「Nature」に4月2日掲載された。
発疹と激しい痛み「帯状疱疹」ワクチンの定期接種スタート 福岡市 ...
水ぼうそうウイルスが原因で80歳までに3人に1人が発症するとされる「帯状疱疹」をめぐり、今年度から国や自治体の対策が大きく進んでいます。 体に発疹とともに激しい痛みが出る帯状疱疹。 最近かかったという60代の男性に話を聞きました。 ◆今年2月に帯状疱疹を経験した男性(60代)
帯状疱疹が20代~40代でも増加中…治療の遅れで顔面まひリスクも ...
帯状疱疹が、 高齢者 だけでなく20~40代にも広がっているという。その要因に、水ぼうそうワクチンの普及で大人の免疫が強まらなくなったことや、疲労などがあげられると医師は指摘する。治療が遅れると、神経痛や顔面の麻痺などが残ることもあるため、早めの受診が必要だ。
【医療新世紀】帯状疱疹ワクチンの定期接種始まる
帯状疱疹ワクチンの定期接種が4月から全国で始まった。対象は原則65歳で、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類から選ぶことができる。患者は増加傾向にあり、発症すると神経痛などの後遺症の恐れもある。発症や...