百日咳

百日咳の感染拡大に警戒！清明節の海外渡航、国内の家庭内感染も増加傾向

春の訪れとともに、感染症への警戒も高まっています。特に最近、百日咳の感染報告が増加しており、注意が必要です。この記事では、最新のニュースや専門家の見解を基に、百日咳の現状、感染経路、予防策について詳しく解説します。

2024年、百日咳の感染者数が6年ぶりの高水準に

今年の春先から、台湾を含むいくつかの地域で百日咳の感染者数が増加傾向にあります。ETtoday健康雲の報道によると、2月には生後2ヶ月の乳児が百日咳に感染し、その家族、さらには曽祖母までもが感染するという家庭内クラスターが発生しました。台湾における百日咳の感染者数は過去6年間で最多となっており、警戒が必要です。

清明節の海外渡航にも注意喚起

匯流新聞網によると、衛生福利部疾病管制署（CDC）の羅一鈞報道官は、清明節の連休を利用した海外渡航の際に、百日咳の感染リスクがある国として日本、中国、ベトナム、韓国を名指しで注意を呼びかけています。これらの国への渡航を予定している方は、特に感染予防対策を徹底する必要があります。

百日咳とは？その症状と感染経路

百日咳は、百日咳菌という細菌によって引き起こされる呼吸器感染症です。初期症状は風邪とよく似ており、鼻水、咳、微熱などが現れます。しかし、徐々に咳が激しくなり、特徴的な「コンコン」という音を伴う咳（痙咳）が出るようになります。特に乳幼児の場合、呼吸困難やチアノーゼ（皮膚や粘膜が青紫色になる）を引き起こす可能性があり、重症化すると脳症や肺炎などの合併症を引き起こすこともあります。

百日咳は、主に咳やくしゃみなどの飛沫感染によって感染します。感染力が非常に強く、家庭内や学校など、人が密集する場所で感染が広がりやすいのが特徴です。

家庭内感染の広がりと対策

中央社 CNAの報道によると、台湾では百日咳の家庭内クラスターが発生しており、複数の家族に感染が広がっている事例が報告されています。特に乳幼児は重症化しやすいため、家族全員が予防接種を受けることが重要です。

また、感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。家庭内での感染拡大を防ぐためには、手洗いやうがい、マスクの着用などの基本的な感染予防対策を徹底することも重要です。

百日咳の予防接種について

百日咳の予防には、ワクチン接種が有効です。日本では、DPT-IPV（ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ）混合ワクチンが定期接種として実施されています。生後3ヶ月から接種を開始し、追加接種を含めて計4回の接種が必要です。

成人の方も、百日咳の予防接種を受けることができます。特に、乳幼児と接する機会が多い方（医療従事者、保育士、家族など）は、積極的に予防接種を受けることが推奨されます。

百日咳の治療について

百日咳の治療には、抗菌薬が用いられます。早期に治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、感染期間を短縮することができます。しかし、抗菌薬は百日咳菌を完全に排除するものではなく、咳などの症状が完全に治まるまでには時間がかかることがあります。

症状を和らげるためには、咳止めや去痰薬などが用いられることもあります。また、十分な休息と水分補給も重要です。

百日咳とCOVID-19：症状の違いと注意点

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）と百日咳は、どちらも呼吸器感染症であり、初期症状が似ているため、区別が難しい場合があります。しかし、いくつかの点で違いがあります。

• 咳の特徴: 百日咳は、特徴的な「コンコン」という音を伴う痙咳が出ることが多いですが、COVID-19ではそのような咳はあまり見られません。
• 発熱: COVID-19では高熱が出ることが多いですが、百日咳では微熱程度であることが多いです。
• 味覚・嗅覚異常: COVID-19では味覚や嗅覚の異常が見られることがありますが、百日咳ではそのような症状はほとんどありません。

もし、咳や発熱などの症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。

百日咳に関する興味深い事実

百日咳は、古くから知られている感染症の一つです。16世紀にはすでにその存在が確認されており、当時は「百日咳」ではなく、別の名前で呼ばれていました。

また、百日咳菌は、1906年にフランスの科学者ジュール・ボルデとオクターブ・ジャンジュによって発見されました。この発見により、百日咳の予防と治療が大きく進歩しました。

百日咳は、先進国においても依然として発生しており、完全な根絶は難しいとされています。これは、百日咳菌が変異しやすく、ワクチンの効果が十分に発揮されない場合があるためです。

今後の展望と対策

百日咳の感染拡大を防ぐためには、以下の対策が重要です。

• 予防接種の推進: 定期接種の対象者はもちろん、成人の方も積極的に予防接種を受けるようにしましょう。
• 感染予防対策の徹底: 手洗いやうがい、マスクの着用など、基本的な感染予防対策を徹底しましょう。
• 早期発見と早期治療: 感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
• 海外渡航時の注意: 百日咳の感染リスクがある国への渡航を予定している場合は、特に感染予防対策を徹底しましょう。

百日咳は、適切な予防と治療を行えば、重症化を防ぐことができる感染症です。正しい知識を持ち、適切な対策を講じることで、百日咳の感染拡大を防ぎ、健康な生活を送りましょう。

まとめ

百日咳の感染者数が増加傾向にあり、特に乳幼児や海外渡航者への注意が必要です。予防接種を受け、手洗いやマスク着用などの基本的な感染対策を徹底しましょう。感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。