スーパーレック

スーパーレックの計量失格騒動とONE 172の舞台裏：何が起こったのか、そして今後は？

格闘技界に衝撃が走った。2025年3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催された格闘技イベント「ONE 172」の前日計量で、ONEバンタム級ムエタイ世界王者のスーパーレック・キアトモー9がハイドレーションテストに失敗し、王座を剥奪されるという前代未聞の事態が発生したのだ。

「ONE 172：武尊 vs ロッタン」という注目の大会を前に、なぜこのような事態が起こってしまったのか？　そして、この騒動は今後の格闘技界にどのような影響を与えるのだろうか？　本記事では、一連の出来事を詳細に解説し、今後の展望を探る。

スーパーレックの計量失格：何が問題だったのか？

3月22日に行われた「ONE 172」の前日計量。スーパーレックは、ナビル・アナンとのバンタム級ムエタイ世界王座統一戦に臨む予定だった。しかし、彼は規定時間内にハイドレーションテストをパスすることができず、王座を剥奪されるという厳しい処分を受けた。

ハイドレーションテストとは、選手の体内の水分量を測定するもので、過度な減量を防ぎ、選手の健康を守るために導入されている。スーパーレックはこのテストをクリアできなかったため、試合は予定通り行われたものの、スーパーレックが勝利した場合でも王座は移動しないという、異例のノンタイトル戦となった。

騒動の背景：ONE Championshipの厳格なルール

ONE Championshipは、選手の安全を重視し、厳格なルールを設けていることで知られている。ハイドレーションテストの導入もその一環であり、過酷な減量による事故を防ぐことを目的としている。

スーパーレックの計量失格は、ONE Championshipのルールが厳格に適用された結果と言えるだろう。しかし、一方で、直前のルール変更や、選手への周知不足といった問題点も指摘されている。

試合結果とスーパーレックのコメント

王座を剥奪されたスーパーレックだったが、試合ではナビル・アナンを圧倒し、勝利を収めた。しかし、王座は空位のままとなり、彼の表情には複雑な感情が入り混じっていた。

試合後、スーパーレックは「今回のことは非常に残念だが、ルールはルールなので受け入れるしかない。今後は今回の経験を活かし、さらに強くなって戻ってくる」とコメントした。

ONE 172：その他の注目カードと結果

スーパーレックの計量失格騒動の陰に隠れてしまった感もあるが、「ONE 172」には他にも多くの注目カードが組まれていた。

• 武尊 vs ロッタン： 日本の武尊が、ムエタイの強豪ロッタンと激突。武尊にとっては"格闘技人生"をかけた重要な試合となったが、ロッタンの壁は厚く、判定で敗れた。
• 海人 vs グレゴリアン： 元K-1王者の海人が、強豪グレゴリアンに挑む予定だったが、グレゴリアンの計量失格により試合は中止となった。
• 日本vs世界： 今大会は、日本人選手が世界の強豪に挑むカードが多く組まれ、格闘技ファンを大いに沸かせた。

今後の展望：スーパーレックの再起とONE Championshipの課題

今回の騒動は、スーパーレックにとって大きな試練となった。しかし、彼はまだ若く、実力も十分にある。今回の経験を活かし、さらに強くなってONE Championshipの舞台に戻ってくることを期待したい。

一方、ONE Championshipは、今回の騒動を教訓に、ルール運用や選手への周知体制を見直す必要があるだろう。選手の安全を確保しつつ、公平で透明性の高い大会運営を目指してほしい。

スーパーレックとは何者なのか？

スーパーレック・キアトモー9は、タイ出身のムエタイ選手。1995年11月6日生まれ。8歳からムエタイを始め、数々のタイトルを獲得してきた。その実力は世界的に高く評価されており、ONE Championshipでも活躍している。

彼は、ムエタイの世界王者に2度輝き、"The Kicking Machine"の異名を持つ。特に蹴り技を得意とし、その破壊力は他の追随を許さない。

なぜ計量失格が起きたのか？

計量失格の原因は、スーパーレックが規定時間内にハイドレーションテストをパスできなかったことにある。ハイドレーションテストは、選手の体内の水分量を測定するもので、過度な減量を防ぎ、選手の健康を守るために導入されている。

スーパーレックがなぜこのテストをクリアできなかったのか、詳しい理由は明らかにされていない。しかし、過度な減量や、体調不良などが原因として考えられる。

海人選手との対戦中止について

「ONE 172」では、海人選手とグレゴリアン選手の対戦も予定されていたが、グレゴリアンの計量失格により試合は中止となった。この件について、海人選手は自身のSNSで「残念ですが、これも格闘技の世界。また次の機会に向けて頑張ります」とコメントしている。

一部報道では、グレゴリアンが計量失格後、海人選手を非難するような発言をしたとされているが、真偽は不明である。

武尊選手との再戦の可能性

スーパーレックは、過去に武尊選手と対戦し、判定で勝利している。試合後、彼は武尊選手との再戦について「完全にはバンタムに落とさないつもりだが、武尊選手が希望するなら、いつでも再戦に応じる」とコメントしている。

もし再戦が実現すれば、大きな注目を集めることは間違いないだろう。

まとめ：今後の格闘技界に注目

スーパーレックの計量失格騒動は、ONE Championshipのルールや選手管理体制に課題を突きつける出来事となった。しかし、一方で、選手の安全を重視するONE Championshipの姿勢も改めて認識された。

今後の格闘技界は、選手の健康管理や安全対策がますます重要になってくるだろう。ONE Championshipをはじめとする各団体が、どのような対策を講じていくのか、注目していきたい。そして、スーパーレックが今回の経験を活かし、再び輝きを取り戻すことを期待したい。