レアル・マドリード

レアル・マドリード、冬の移籍市場で動きなし。アレクサンダー・アーノルドの長期離脱で戦力構造に変化は？

欧州サッカー界をリードする世界的クラブ、レアル・マドリード。2025-2026シーズンの前半戦を終え、UEFAチャンピオンズリーグとリーガ・エスパニョーラで健闘する同クラブであるが、現在、チームの状況に大きな変化が起きている。それは、昨夏に移籍金「0」で加入し、右サイドの攻防を支えると期待されたアレクサンダー・アーノルドの深刻な負傷である。

この出来事は、ただの選手の欠員にとどまらず、冬の移籍市場におけるマドリードの戦略そのものを白紙に追いやった可能性がある。本記事では、複数のスポーツメディアが報じる最新情報を基に、アーノルドの負傷の実態、冬の移籍市場での動向、そして今後のマドリードに求められる選択肢を深掘りする。

予期せぬ故障、そして明かされた長期離脱の事実

今季のレアル・マドリードは、右サイドバックのポジションに新たな風を吹き込むことを目指していた。その中心にいたのが、リバプールからの移籍で話題を集めたアレクサンダー・アーノルドだった。しかし、彼のシーズンは突然の悲劇で幕を開けた。

アーノルドの大腿直筋負傷、全治2ヶ月の衝撃

2025年12月5日、ｄメニューニュース（ドコモ）は、アーノルドが「左足大腿直筋負傷」により全治「2カ月」の診断を受けたと伝えた。これは単なる肉離れではなく、サッカー選手、特に走力が求められるサイドバックにとって致命的な部位の怪我だ。

大腿直筋は、大腿四頭筋の中で唯一「膝蓋骨」に繋がっていない筋肉であり、瞬発的なダッシュやキックの際に大きく関与する。この筋肉の断裂や重度の損傷は、再発リスクが高く、リハビリに長期間を要する。報告によれば、アーノルドはすでにチームの練習を離脱し、専門家の下で治療にあたっている。

ＲマドリードDFアレクサンダー・アーノルドが左足大腿直筋負傷　全治２カ月 (出典: ｄメニューニュース)

この長期離脱は、単に数試合欠場するというレベルを超え、昨季から続くマドリードの「負傷ラッシュ」の新たな受害者として、チームのコンディションマネジメントに疑問符がついている。

代表招集落選のリスクと「わざわざリスクを冒す必要もない」という声

怪我の影響は、クラブの試合だけにとどまらない。アーノルドはイングランド代表でも中心選手としての地位を確立しているが、その長期離脱は代表の座にも暗い影を落とす。

theWORLD（ザ・ワールド）が伝えるところによると、この長期離脱により、アーノルドは「イングランド代表からも落選する？」という不安が囁かれている。特に、監督の判断として「まだ怪我が完治していない状態で、わざわざ代表招集というリスクを冒す必要もない」という声が上がるのも無理はない。

クラブにとっても、負傷した選手を無理に代表に送り出すメリットはほとんどない。むしろ、再発を防ぐためにも、慎重な復帰計画が求められるだろう。この点において、マドリードとイングランド代表の間で、今後のアーノルドの扱いを巡る綱引きが予想される。

冬の移籍市場で「動きなし」と報告されたワケ

アーノルドの離脱が発表される前後、マドリードの移籍市場に関する另一のニュースが流れた。それは「冬の移籍市場では動きなし」という内容だった。

右SBの2人が負傷、しかし補強の手は動かず

2025年12月6日付のYahoo!ニュース（theWORLD寄稿）は、タイトルに「右SBの2人が負傷も…… レアル・マドリード、冬の移籍市場では動きなしか」と掲げた。

ここで指摘されている「右SBの2人」とは、おそらくアーノルドと、彼の加入以降出場機会が減少しているディ・アッセンシアオ（現行の右SB）のことを指す。この両者が負傷や不調に喘ぐ中、補強を図るのが一般的な戦略だが、マドリードの姿勢は異なるようだ。

右SBの2人が負傷も…… レアル・マドリード、冬の移籍市場では動きなしか (出典: Yahoo!ニュース / theWORLD)

この「動きなし」の背景には、監督の信頼、あるいは期待の若手登用があるのかもしれない。しかし、UEFAチャンピオンズリーグの knockout stage（ノックアウトステージ）や、リーガの優勝争いを睨む中で、リスクを冒す選択が正解かどうかは、現時点では判断できない。

「0」移籍金加入の裏側と期待外れ？

アーノルドの加入は、移籍金「0」という極めて攻撃的な獲得だった。リバプールとの契約満了を待っての完全移籍であり、マドリードは予算を費やさずに世界クラスの右SBを手に入れたと評価された。

しかし、実際には、加入後も度重なるコンディション不安や、チームのシステムへの適応に苦慮する場面が見られた。そして、待望の本格起用という矢先に訪れたのが今回の重傷だ。「0」移籍金は、逆に「リスクを負っての獲得」でもあったと言える。もしこのままアーノルドが復帰できなければ、マドリードの「只で選手を獲った」という計算は見事に裏切られる結果となる。