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BSよしもと松本人志、１年１０か月ぶりの事実上テレビ復帰。大晦日の特番が示す「ダウンタウン+」の新戦略

2023年12月31日、大晦日の午後3時30分。テレビのリモコンを握る多くの視聴者の目に、衝撃的な映像が映し出された。吉本興業が運営する衛星放送チャンネル「BSよしもと」で放送された特番『大晦日の超緊急特番！今、話題のダウンタウンプラスを徹底解剖スペシャル』である。

この日の特番で最も注目を集めたのは、いうまでもなくダウンタウンの松本人志の姿だった。一連の不祥事を受けて2022年2月以降、事実上の活動休止状態にあった松本が、約1年10か月ぶりに公の場に姿を現したのである。

ただし、彼の復帰の形は、従来のテレビ番組とは一線を画していた。本稿では、BSよしもとを舞台にした松本人志の「事実上の復帰」の全貌と、その裏に潜む吉本興業の新たな戦略について、公式情報に基づいて詳細に解説する。

事実上の復帰を果たした松本人志、その全貌

松本人志の復帰を伝えるにあたり、まずは公式に確認されている事実から整理していこう。

2022年2月、週刊文春の報道を皮切りに複数の女性へのハラスメント疑惑が浮上したダウンタウンの松本人志。当時、松本はすべての芸能活動から撤退し、公の場から姿を消していた。それから約22ヶ月。

その松本が再び全国のテレビ экранに登場したのが、2023年大晦日、BSよしもとでの特番放送時だった。

スポーツ報知の報道によれば、松本は「大晦日の超緊急特番！今、話題のダウンタウンプラスを徹底解剖スペシャル」に出演し、事実上のテレビ復帰を果たした¹。この番組は、吉本興業が運営する有料動画配信サービス「DOWNTOWN+（ダウンタウンプラス）」の内容を紹介する特別番組だ。

ここで重要なのは、松本の「復帰」の形態である。彼がスタジオに登場し、新規に収録したトークを披露したわけではない。

[javascript] Verified News Reportsの1点目（AV Watch）が伝えるように、この特番は「DOWNTOWN+」で配信されている既存のコンテンツを流用し、BSよしもとの地上波的枠組みを通して一般の視聴者に届けるという、いわば「プロモーション番組」の側面が強い²。

つまり、松本の姿は「新規収録」ではなく、あくまで有料配信サービスの一部として既に存在していた映像が、BSよしもとの特番でオンエアされたのだ。この「新規収録なしでの復帰」という異例の形は、松本の活動再開に向けた慎重なアプローチを物語っている。

松本の復帰がBSよしもとというチャンネルで行われた背景には、同局の持つ独特のポジションと、吉本興業全体のデジタル戦略がある。

BSよしもとは、BS265chで放送されている吉本興業系の衛星放送チャンネルだ。特筆すべきは、その無料性にある。

[javascript] Supplementary Researchの最初の情報源が明かす通り、BSよしもとは「全番組無料放送」をコンセプトとしている³。さらに「地方創生」を掲げ、全国の地域魅力を吉本芸人の力で発信するという独自の路線を歩んでいる。

この「無料」という点が、松本の復帰番組を流す上で大きな意味を持つ。もし彼が民放の在京キー局や、関西ローカルで復帰番組を放送した場合、視聴率のプレッシャーや、スポンサー企業との兼ね合いから、極めて慎重な対応を余儀なくされる。

しかし、BSよしもとは無料でありながら、全国放送である。かつては「Kawaiian TV」としてアイドル専門チャンネルとしてスタートした経緯を持つ同局は、現在、吉本芸人の「やりたい事を実現する24時間放送チャンネル」として、幅広い層に支持されている[^4]。

特番『ダウンタウンプラスを徹底解剖スペシャル』の目的は明らかだ。視聴者を有料配信サービス「DOWNTOWN+」へと誘導することである。

AV Watchの記事にある通り、DOWNTOWN+は2023年12月26日から本格的な配信を開始したばかりの、いわば「松本人志の動画プラットフォーム」だ[^5]。ここでは、松本の過去の名場面集や、彼が構成・演出した新作コンテンツなどが配信されている。

BSよしもとの特番は、この有料サービスの「予告編」であり「解説役」を担った。松本の姿を屏幕上に再び現すことで、「あの松本が見たいなら、DOWNTOWN+へ」という心理的誘導を視聴者に与えたのだ。

松本人志の復帰をめさる一連の動きを、時系列で振り返ると、吉本興業の戦略的配慮が浮かび上がる。

現在、松本の完全な地上波復帰（レギュラー番組への復帰など）は未定である。しかし、DOWNTOWN+を通じての活動再開は確実視されている。