金価格

金価格、歴史的ブレイクを続ける――2025年終盤まで高値更新が予想される理由と今後の影響

金価格が“異常なまでの上昇”を続けている

2025年、世界中で注目されているのが「金価格」の驚異的な上昇トレンドです。日本国内では、金小売価格が1グラムあたり初めて2万4000円台に到達するなど、過去最高値を更新し続けています。この動きは単なる一時的な高騰ではなく、地政学的緊張、円安進行、そして米連邦準備制度（FRB）の金融政策変化といった複数の要因が重なって生まれた「構造的変化」と見る専門家が増えています。

特に2025年後半には、さらなる高値更新が続くとの見方が強く、投資家や個人投資家の間で「金買い」が加速。マネクリのレポートでは、「2025年終盤まで金価格の高値更新が続く可能性が高い」との予測が示されており、市場全体が警戒と期待を同時に抱く状況が続いています。

最新ニュース：国内金価格が2万4000円台を突破

2025年12月22日、Yahoo!ニュース（ANN系）は速報として、「国内金小売価格が1グラムあたり初の2万4000円台に到達」したと報じました。この動きは、円安の進行と地政学的リスク（中国・台湾情勢、中東情勢の不安定化など）を背景に、安全資産としての金への需要が急増した結果です。

また、Bloomberg Japanの同日付レポートでも、「金と銀が同時に最高値を更新」したことが確認されており、特に金は「米追加利下げ観測」と「地政学的緊張」を受けて買い優勢が継続。投資家たちは、インフレ懸念や通貨安リスクに備えるため、実物資産としての金を積極的に購入しています。

これらの動きは、単なる投機的なブームではなく、長期的な資産防衛戦略としての金の重要性が再認識されていることを示しています。

なぜ今、金が急騰しているのか？――背景にある3つの要因

1. 円安の進行が金価格を押し上げる

日本円の対ドル為替レートは2025年後半にかけて160円台まで下落し、円安が加速。円安が進むと、輸入原価が上昇するため、金のような輸入依存度の高い資産は自然と価格が上がります。また、円安は「日本の購買力低下」を意味するため、個人投資家も「円を守る手段」として金を選び始めています。

2. 地政学的リスクが「安全資産需要」を喚起

中国と台湾の緊張関係、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中東でのイスラエル・ハマス紛争の拡大など、世界中で不安定な情勢が続いています。こうした状況下では、株式や債券といったリスク資産よりも、金のような安全資産への資金流入が顕著になります。

特にアジア地域では、歴史的に「金＝富の象徴」という文化が根強く、地政学的リスクが高まると、富裕層を中心に金の購入が急増する傾向があります。

3. 米FRBの利下げ観測が金買いを後押し

2025年後半、米連邦準備制度理事会（FRB）が利上げサイクルから利下げへの転換を模索していることが市場で広く認識され始めています。金は金利が低い環境で魅力的になる資産であり、利下げ観測が強まると、金への買いが加速します。

FRBのパウエル議長が「インフレ抑制に一定の成果が見られる」と発言したことで、2026年初頭の利下げ開始が現実味を帯びており、これが金価格のさらなる上昇を後押ししています。

歴史を振り返る：金価格の過去の高値と今回の違い

金価格は過去にも何度か「高値更新」を経験しています。2020年には新型コロナ禍の不安から一時、1オンス2000ドルを突破。2022年にはロシア・ウクライナ戦争発生後に再び高騰しました。

しかし、今回の上昇は「円ベースでの高値」が特徴であり、単なるドル高ではなく「円安＋世界的な金高」の二重要因で進行しています。また、過去の高騰は主に「投機的需給」や「短期的な不安」が原因でしたが、今回は「長期的な通貨信頼性の低下」と「資産防衛の必要性」が背景にある点で異なります。

日本では、1980年代のバブル期に金価格が高騰した経験がありますが、当時は「投機熱」が中心でした。一方、2025年の今回は、高齢化社会における資産防衛やインフレ懸念を背景に、個人投資家層が広がっている点が大きな違いです。

今すぐ知っておくべき影響：個人投資家・企業・経済への波及効果

個人投資家：金への関心が急増

金価格の上昇は、個人投資家の行動にも大きな影響を与えています。金投資の主な方法には、以下のようなものがあります：

• 金条・金貨の購入（例：キングバードゴールド、メダルゴールド）
• 金ETF（上場投資信託）
• 金先物取引
• 金預託証書（ゴールドデポジット）

特に近年は、ネット証券を通じた「金ETF」の取引が増加。流動性が高く、手数料も安いため、初心者にも取りやすい投資手段として人気を集めています。

また、金小売店では「金買取需要」も増加しており、古い指輪やネックレスを売却する人が増えています。これは「キャッシュ化」と「再投資」の両面から見られる動きです。

企業：金関連銘柄の株価が反応

金価格の上昇は、金鉱山会社や貴金属商社の株価にも好影響を与えています。日本では「三井金属マイニング」「住友金属鉱山」などの銘柄が注目され、海外ではニューモント、バロー・ゴールドなどの大手金鉱企業が株価を更新。

また、金加工メーカーやジュエリーブランドも、高金価格に対応するため「軽量デザイン」や「合金使用」などの工夫を進めています。

経済全体：インフレ懸念と資産再