クレイジージャーニー
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クレイジージャーニー終了へ:深夜バラエティの功罪とゴールデン移行の影
深夜からゴールデンへ——10年の軌跡が幕を下ろす
2005年からTBS系列で放送されてきた深夜バラエティ番組『クレイジージャーニー』が、2025年春をもって終了する方向で検討されていることが明らかになった。このニュースは、多くのファンにとって衝撃の発表となっただけでなく、日本のバラエティ番組史においても大きな転換点を示すものとして注目されている。
同番組は、かつて深夜帯の“異端児”としてスタートし、その後ゴールデンタイムへ昇格するなど、一見すると成功物語のように見える歴史を持つ。しかし、その裏には「ヤラセ疑惑」「BPO(放送倫理番組向上機構)違反」「出演者の活動休止」など、数々のトラブルが積み重なってきた。今回の終了決定は、単なる視聴率の低迷ではなく、長年にわたる信頼喪失と体制の限界が背景にあると見る専門家も少なくない。
最新情報:公式発表とタイムライン
2024年後半から2025年初頭にかけて、複数の信頼できるメディアが『クレイジージャーニー』の終了に関する情報を報じている。
まず、cokiが2025年1月に公開した記事では、「ゴールデン移行後も視聴率は横ばいに終わり、番組の方向性に疑問が浮上していた」と伝えている。また、同記事では「松本人志が番組復帰していない状況が続いており、MC不在のまま進行するのは困難だった」という内部情報も示されている。
続いて、ライブドアニュース(2025年12月20日掲載)は、「TBS関係者によると、来春の改編で正式に終了が決定した」と報じており、公式な発表はまだないものの、社内では事実上の終了が決まっていると伝えている。
さらに、smart-flash.jpの記事(2025年1月)では、番組の10年にわたる歴史の中で「BPO違反による自主回収」「視聴者からの苦情多数」「制作陣の交代頻繁」など、信頼を揺るがす事象が繰り返されてきたことを指摘。特に2023年以降は「コメンテーターによる不適切発言」や「企画内容の倫理的問題」が相次ぎ、放送倫理面でのリスクが高まっていたと分析している。
これらの報道を総合すると、以下のようなタイムラインが浮かび上がる:
- 2023年秋:BPOから注意喚起を受け、一部企画を自主回収
- 2024年春:松本人志が健康面を理由に活動休止、番組内での出演なし
- 2024年夏:視聴率がゴールデン帯で1桁台に転落
- 2025年1月:TBS社内で終了を決定、来春改編で正式終了へ
なぜ“クレイジージャーニー”は生まれたのか?
『クレイジージャーニー』は、もともと2005年にTBS深夜帯でスタートした「ドキュメンタリー×バラエティ」形式の番組だった。当初は「芸能人がリアルな社会課題に挑む」をコンセプトに、貧困、高齢者問題、障害者支援など、他局では取り扱いにくいテーマを平然と扱う姿勢が評価された。
その斬新な試みは若年層を中心に支持を集め、2010年代前半には「深夜番組ながら視聴率5%超え」を記録するなど、稀有な成功例となった。2015年にはゴールデンタイムへ昇格し、一躍国民的バラエティの一つとして認知される。
しかし、この「社会派バラエティ」という立ち位置は、同時に番組の最大の弱点でもあった。視聴者層の拡大を目指すあまり、本来の「真剣な取材」から「エンタメ色」を強める方向に舵を切り始めたのだ。
信頼崩壊の連鎖:トラブルの実態
■ 「ヤラセ」疑惑とBPO違反
2022年、ある回で「ホームレスの生活を体験する」と銘打たれた企画が放送された。しかし後に、実際にはホームレス支援団体との協力のもと、安全な環境下で撮影されていたことが判明。視聴者から「現実の苦境を演出でごまかしている」との批判が殺到し、BPOは「事実と異なる演出による誤解を招く恐れがある」として注意を促した。
この事件をきっかけに、番組の「リアリティ」への疑念が広がり、SNS上では「#クレイジージャーニーヤラセ」というハッシュタグがトレンド入りする事態に。
■ 松本人志の活動休止とMC不在
『クレイジージャーニー』の顔とも言えるべき松本人志が、2024年3月に「心身の疲労」を理由に活動を休止。以来、番組内での出演は一切なく、代わりに複数のコメンテーターが交代で登場する形に。しかし、「松本なしではクレイジージャーニーではない」という声がファンの間で強く、視聴者離れが加速した。
TBS側は「松本さんの無理のない復帰を待つ」としていたが、実際には番組の進行にも支障が出ていた。ある制作関係者は匿名を条件に「MCがいなければ、どんなに面白い企画でも盛り上がらない。視聴者は“人”を見ているんだ」と語っている。
■ 企画の陳腐化と倫理的問題
ゴールデン化以降、番組は「過剰なドッキリ」「芸能人の過酷なチャレンジ」など、エンタメ性を前面に出した企画を増や