蔦屋重三郎

蔦屋重三郎と『べらぼう』の謎：歴史とドラマの交差点で何が起きているのか？

国宝と十兵衛、明暗を分けたものとは？

2024年春、NHK大河ドラマ『べらぼう』が最終回を迎えた。主演の横浜流星が演じた蔦屋重三郎（しげさぶろう）は、江戸時代に実在した人物で、写真技術を日本に導入したとされる「日本写真の父」として知られている。しかし、同作は歴代大河ドラマでワースト2位の視聴率（平均12.4％）という苦戦を強いられた一方、国宝「写楽＝十郎兵衛説」の証言者としての蔦屋重三郎に焦点が当たるなど、歴史愛好家の間で大きな議論を呼んでいる。

ダイヤモンド・オンラインの分析によると、『べらぼう』は「国宝『写楽』の大ヒットとは対照的に、蔦屋重三郎を主人公にした大河は冷遇された」。同作は、横浜流星が主演する『国宝』と同様に、江戸文化・写真史というテーマを扱っていたが、観客の関心を引くことができなかった。

「どちらも横浜流星が活躍したのになぜ…？大ヒット『国宝』と、大河歴代ワースト2視聴率『べらぼう』の明暗を分けたもの」（ダイヤモンド・オンライン）

これは、ドラマのストーリー性に加え、歴史的背景の複雑さが影響しているのではないか、と専門家は指摘する。

最新情報：最終回の衝撃と岡崎体育の“歴史の鍵”

『べらぼう』最終回では、一瞬だけ登場した岡崎体育の役が、歴史愛好家の間で大きな反響を呼んだ。岡崎体育は、「写楽＝十郎兵衛説」（写楽と蔦屋十郎兵衛は同一人物だとする説）の証言者として知られており、実際の歴史における蔦屋重三郎の重要性を象徴する存在だ。

Yahoo!ニュースのコラムでは、「岡崎体育の登場は、ドラマが単なる娯楽ではなく、歴史の証言者を意識した演出だった」と分析。このシーンは、「写楽=十郎兵衛説」を支持する視聴者にとって、「歴史の真相に近づく瞬間」として捉えられた。

「最終回に一瞬だけ登場、岡崎体育の役が歴史のキーマンだった！？「写楽＝十郎兵衛説」の証言者【べらぼうコラム】」（Yahoo!ニュース）

さらに、最終回のパブリックビューイング＆トークショーが全国で放送され、横浜流星、染谷将太、橋本愛らが出演。撮影秘話として、「蔦屋重三郎の人物像をどう再構築するか」という難しさについて語った。特に、「彼は商人であり、技術者であり、文化人でもあった。その多面的な存在を15時間で描くのは極めて難しい」（横浜流星）というコメントは、ドラマ制作の苦労を浮き彫りにした。