又吉克樹
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又吉克樹、プロ野球界への復帰へ「トライアウト」参加を発表|38名の戦力外選手らが再起を懸ける秋
プロ野球界の秋は、しばしば「第二の人生」の始まりを告げます。2025年もまた、選手生命の岐路に立つ男たちの熱い戦いの舞台が用意されました。その中心に、かつてパリーグの頂点を極めた投手、又吉克樹の名前が浮かび上がっています。
広島東洋カープや阪神タイガースを経験し、2018年には北海道日本ハムファイターズでプレーオフ優勝に貢献した実力者です。しかし、ここにきて「戦力外」という冷たい判定が下りました。その再起を懸けた第一歩が、11月初めに開催される「12球団合同トライアウト」への参加発表でした。巨人を含む複数の球団が参加を表明したこのトライアウトは、ただのセカンドキャリアの場ではなく、プロ野球界全体の「人材争奪戦」の縮図でもあります。
注目の戦力外、又吉克樹の挑戦
2025年11月6日、複数のスポーツメディアが一斉に報じたのは、北海道日本ハムファイターズから戦力外通告を受けた又吉克樹投手の動向でした。
トライアウト参加予定選手発表 広島戦力外の松山竜平、阪神戦力外の森木大智、ソフトB戦力外の又吉克樹ら38人【一覧】 出典: dメニューニュース
この発表により、又吉選手は11月11日、12日两天にわたる合同トライアウトに参加することが確定しました。詳細な参加者名簿には、又吉選手の名前の他、読売ジャイアンツ(巨人)が戦力外とした高橋礼投手や、元DeNAの鴉打瑛二投手、チェコ出身の外国人選手「フルプ」ことヤン・フルプら38名の名前が並びました。
又吉選手の経歴は非常に特徴的です。元々は打者としてプロ入りしましたが、投手へ転向してから急速に頭角を現し、2018年の日本ハムの躍進を支える存在へと成長しました。しかし、その後は成績が低迷し、ついに30代半ばで戦力外という判断に至りました。かつての名投手が、この秋、東京ドームで再び捕手のミットを狙う姿は、多くのファンの関心を集めています。
トライアウトとは何か? その仕組みと現状
プロ野球を追うファンにとっても、トライアウトの実態は意外と見えにくいものです。これは「12球団合同トライアウト」と呼ばれ、戦力外通告を受けた選手と、新規でプロ入りを希望する選手(ドラフト外)が、各球団のスカウトの前で実力を披露する唯一の公の場です。
2025年のこのトライアウトには、特に「異例の参戦」も話題になっています。Yahoo!ニュースが伝えるところによると、巨人やDeNA、中日など複数の球団が、現役の主力選手や若手有望株をスカウトとして派遣する方針を固めたようです。
【戦力外の実力者が続々…助っ人が異例の参戦も】 ドラ1は3人、トライアウトに参加する38人(Full-Count) 出典: Yahoo!ニュース
この背景には、近年の若手選手の流出や、戦力外選手の中でも「まだ通用する実力を持つ」選手が多く存在するという事情があります。特に、又吉克樹選手のような「過去に実績がある選手」にとっては、このトライアウトは単なるテストではなく、現役復帰を賭けた「セカンド・ライフ」のための切符を掴む場所です。
戦力外通告からトライアウトまでの道のり
又吉選手がここに至るまでには、どのようなプロセスがあったのでしょうか。
【2025年秋季・主な動き】 1. 戦力外通告(10月): 日本ハムファイターズは、又吉克樹投手を含む数名の選手に対して戦力外通告を行いました。これにより、自由契約選手となり、他球団との交渉権が生じます。 2. トライアウト参加発表(11月6日): 参加予定者38名の中に又吉選手の名前が正式に含まれることが発表されます。 3. トライアウト実施(11月11日~12日): 東京ドームで投手と打者(内野手、外野手など)に分けて実技テストが行われます。投手の場合は bullpen( bullpen練習)での投球や、模擬試合などが実施されることが一般的です。
この一連の流れは、プロ野球界における「実力主義」の象徴です。所属球団での成績が振るわなくても、トライアウトでの出来次第で、再びプロの契約を勝ち取れる可能性が残されています。
歴史が語る、トライアウトからの再起物語
又吉選手の挑戦は、決して珍しいケースではありません。過去には、トライアウトを経て見事に現役に復帰し、再び活躍する選手が数多くいます。
例えば、元中日ドラゴンズの吉見一起投手や、元東京ヤクルトスワローズの由規投手などは、戦力外を経験した後、トライアウトを経て再契約を果たし、チームの要として活躍しました。特に近年は、中継ぎ投手や、打者の場合、バントや守備走塁といった「小技」を磨いた選手が再評価される傾向にあります。
又吉克樹選手の武器は、何と言っても「経験値」です。日本ハムの日本一や、広島でのポストシーズン経験があります。また、投手としての経験に加え、元々打者としての素質も持っています。この経歴が、スカウトの目を引くかどうかが鍵となります。
同時に注目される他選手の動向
又吉選手と並んで、今年のトライアウトには実力者が多数名を連ねています。
- 松山竜平(元広島東洋カープ): かつての広島のエースで、過去2度のトライアウト経験があります。投手としての力量は折り紙付きですが、年齢と故障のリスクが課題です。
- 森木大智(元阪神タイガース): 若くしてプロ入りし、期待された投手です。まだ若さを活かしての再起が期待されます。
- 鴉打瑛二(元横浜DeNAベイスターズ): 巨人戦力外の高橋礼投手と共に、巨人スカウトの注目度が高い選手の一人です。
このように、今年のトライアウトは「戦力外から再起を狙うベeteran」と「未成績に泣く若手」が入り乱れる、非常に興味深い内容になりそうです。
球団側の視点:なぜトライアウト参加者が増加しているのか
なぜ、これほどまでにトライアウトの参加者や、それを観戦するスカウトの数が増加しているのでしょうか。背景には、各球団の「人材獲得戦略」の変化があります。
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