商船三井 決算発表

商船三井の決算発表で注目の“下方修正”　市場はどう反応している？

2025年11月4日、日本を代表する大手海運会社である商船三井（9104）が2026年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正した。特に純利益が前回予想から58％減に引き下げられることが発表され、市場に大きな波紋を広げた。このニュースは、海運業界の景気循環、グローバル物流の混乱、そして投資家の関心を集める重要な出来事だ。

本記事では、公式発表と信頼できる報道を基に、商船三井の業績予想修正の背景、市場への影響、今後の展望について詳しく解説する。海運業界のトレンドを知る上で、この決算発表がどれほど重要なのか、一緒に探っていこう。

業績予想の大幅下方修正：純利益が58％減に

公式発表の要点

商船三井は2025年11月4日、2026年3月期（2025年4月～2026年3月）の連結業績予想を修正すると発表した。主な変更点は以下の通りだ。

• 純利益：前回予想から58％減の1,800億円に下方修正
• 経常利益：11％減の2,400億円に引き下げ
• 配当金：1株あたり25円増額（前年比）

特に注目されるのは、純利益の大幅下方修正だ。これは、前回予想よりも大幅に業績が悪化することを意味している。一方、配当金は増額されており、株主への還元姿勢は維持されている。

「今期の業績は、グローバル物流の混乱や運賃下落により、当初想定を下回る見通しです」
—— 商船三井関係者（かぶたんニュースより）

この発表を受け、東京株式市場の後場取引で商船三井の株価が大幅に下落した。日本経済新聞によれば、株価は前日比で5～6％安で取引を終えた。

最近の動き：公式発表から市場反応まで

1. 2025年11月4日：業績予想の下方修正発表

商船三井は、2026年3月期の連結業績予想を修正すると発表。主な修正点は以下の通り。

この修正は、市場の予想を大きく下回る内容だった。特に純利益の58％減は、投資家にとって「衝撃的」な数字だ。

2. 同日後場：株価が大幅に下落

発表を受け、東京証券取引所の後場取引で商船三井株が急落。前日比で5.6％安の3,200円で取引を終えた。海運株全体も売られ、業界の先行き不透明感が強まった。

3. 配当増額の“逆風”：株主還元は継続

業績が悪化しているにもかかわらず、配当金は25円増額されている。これは、株主への還元を優先する姿勢を示しているという側面もある。しかし、業績予想の下方修正という“悪材料”に対して、市場は「配当増額よりも業績の悪化が重い」と判断した。

なぜ業績が悪化したのか？　背景を紐解く

1. グローバル物流の混乱と運賃下落

商船三井の業績悪化の主な要因は、国際海運の運賃下落だ。2020～2022年にかけて、コロナ禍で物流需要が急増し、コンテナ運賃が過去最高水準に達した。しかし、2023年以降、需要の鈍化と船腹の過剰供給により、運賃は急激に下落。

• 上海コンテナ運賃指数（SCFI）：2022年の高値比で70％以上下落
• アジア～欧州航路：1TEU（20フィートコンテナ）あたりの運賃が1,000ドル以下に（2022年は5,000ドル超）

このような状況は、収益力の高い長距離航路に特に大きな打撃を与えた。

「2020～2022年は『異常な好況』でしたが、それが終焉した今、通常の競争が再開されています」
—— 海運アナリスト（日本経済新聞より）

2. 船腹の過剰供給：新造船の大量投入

2020～2022年の好況を受け、世界中の海運会社が新造船を大量に発注。これにより、2024～2025年にかけて大量の新船が就航し、市場に過剰な船腹が供給された。

• 2024年の新造船就航数：過去最多を更新
• 2025年予定：さらに大型船の就航が予定されており、運賃競争はさらに激化

商船三井も例に漏れず、大型コンテナ船の就航が増加している。しかし、需要が追いつかないため、利用率が低下し、収益が圧迫されている。

3. 為替の影響：円安の“二重の刃”

円安は、外貨建て収入を円換算すると額面で高く見えるため、一見プラスに映る。しかし、燃料費や船の維持費も外貨建てで支払われるため、実際の利益には限界がある。

• 燃料価格：2025年現在、燃料油価格は高止まり（バーレーン・IFO380価格：600ドル/トン超）
• 船の維持費：船員給与や修理費もドル建てのため、円安でコストが上昇

つまり、円安は“表面の数字を良く見せる”が、実際の利益には寄与しないケースが増えている。

海運業界の“構造的変化”：商船三井の立場は？

1. 業界の寡占化と商船三井の位置づけ

日本の海運業界は、商船三井、日本郵船、川崎汽船の3社による寡占構造。特に商船