片山さつき
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片山財務相が警鐘「金の密輸」急増の背景と対策。年末年始の海外旅行で注意すべき“知らぬ間に犯罪”の実態
「金の密輸」が過去最高値を更新し、社会問題として浮上しています。その背景には、世界的な金価格の高騰と、中国人組織を巻き込んだ巧妙な犯罪手法の進化があるようです。2025年11月27日、片山さつき財務大臣の出席のもと、税関は「金の密輸」に関する臨時税関長会議を開催。年末年始の海外旅行シーズンを控え、国民への警告を発しました。
一体、どのような犯罪が横行しているのでしょうか。そして、私たち旅行者は、どのように注意すれば良いのでしょうか。専門家や公的機関の見解を交え、その実態と対策を深掘りします。
脅威の進化:過去最高値で跳ねる「金の密輸」とは
金価格が歴史的な高値を更新する中、密輸の手口も「スルー密輸」として巧妙化しています。
税関をすり抜ける「スルー密輸」とは何か
税関の手をすり抜ける、この新しい手口の恐ろしさは、その「無感覚さ」にあります。
具体的には、空港の税関検査を受ける際、「申告なし通道(イエロー・チャンネル)」 を選択し、金塊を所持したまま日本へ入国する行為を指します。本来、200万円相当以上の金地金(金塊)を持ち込む場合は、税関への申告が義務づけられています。しかし、この手口では、故意に申告を行わずに通過。見つかられば沒収・追徴課税、悪質と判断されれば逮捕・起訴される犯罪です。
参考:税関の申告制度 200万円相当以上の金地金を持ち込む場合は、税関で必ず「持込申告書」を提出し、輸入税(関税)を納付する必要があります。これを怠れば、関税法違反となります。
中国人組織の関与と「指示役」の存在
産経ニュースの報道によれば、この手口は単独犯ではなく、組織的な犯行である可能性が高いとされています。
【産経ニュース抜粋】 「金塊密輸、過去最高値更新で活発化 税関スルーで納税免れ荒稼ぎ 中国人「指示役」関与も」
この報道から、中国本土や在留中国人組織が、日本での転売による利益を目当てに、若者などを手先として利用し、密輸を指示している構図が浮かび上がっています。利益は「荒稼ぎ」と形容されるほどの大金に上り、この犯罪の原動力となっています。
金融緩和の終焉? 片山財務相が動く
なぜ今、急増しているのか。その背景には、世界的な金融政策の転換があります。
金価格高騰の背景:FRBの利下げ期待
2025年現在、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が強まっています。通常、金価格は、利下げにより上昇する傾向にあります。これは、金が「不換紙幣」であり、金利がつかない資産だからです。金利が下がれば、投資対象としての金の魅力が相対的に高まり、価格が上昇します。
この「金価格の上昇」と「円安」が重なることで、日本で金を売買する場合、非常に高い利益率が見込める状況が生まれています。
臨時税関長会議の開催とその狙い
こうした状況を受けて、片山さつき財務大臣は、税関のトップらを集め、緊急の対策を指示しました。
【税関公式発表抜粋】 「片山財務大臣出席のもと、「金の密輸」について、臨時税関長会議を開催しました : 税関 Japan Customs」
この会議の目的は、単なる検査強化ではなく、「国際協調」 と 「情報分析」 の強化にあります。特に、中国や香港などの出身者による密輸未遂が相次いでいることを受け、これらの国・地域との情報共有や、出国前からの取り締まり強化が議論の中心となったと見られます。
旅行者が気をつけるべき「知らぬ間に犯罪」の落とし穴
年末年始の海外旅行シーズンが近づく中、特に注意が必要なのは、一般の旅行者です。「知らぬ間に」犯罪に加担しないよう、以下の点に十分注意してください。
金の密輸を依頼された場合の対処法
海外旅行先で、知人や見知らぬ他人から「ちょっとこれ、持っていて」と金の塊を預かるよう頼まれることがあります。これは、絶対に断らなければならない危険な依頼です。
- 自分の荷物は自分で管理する: 他人の荷物、特に金属片や塊のような疑わしい物は絶対に預かってはいけません。
- 免税店での注意: 購入した金地金は、必ず自身の手で持ち帰り、回国後、税関に正しく申告してください。
- 身の危険: 犯罪組織の手先に使われた場合、逮捕されるだけでなく、組織からの脅迫を受ける危険性もあります。
逮捕された場合のリスク
関税法違反で逮捕された場合、罰金や懲役刑に処される可能性があります。また、有罪になれば、在留資格の問題や、二度とその国に入国できなくなるリスクも伴います。
今後の展望:強化される国境管理と個人の責任
片山財務相の指示を受け、税関は今後、さらなる取締り強化に乗り出します。これにより、旅行者に与える影響も予想されます。
税関検査の厳格化と混雑リスク
空港の税関検査が、これまで以上に厳格化される可能性が高いです。特に、中国・香港線や、過去に密輸が多発している路線では、荷物のスクリーニングが強化されるでしょう。これにより、入国手続きに時間がかかるケースが増えるかもしれません。
一方で、税関は「スルー密輸」を防ぐため、AIやビッグデータを活用したリスク分析を加速させています。不自然なルートや頻発する渡航者などを事前に特定し、パトロールを強化する体制が整いつつあります。
個人のマナーと「グレーゾーン」の重要性
最後に、これは「金」に限った話ではありません。最近、海外旅行先での「無申告」や「グレーゾーン」の行動が、日本国内でも問題視されています。
国際社会において、日本の「マナーの良さ」は非常に重要なブランドです。しかし、知らず知らずのうちに、密輸や密売のルートに組み込まれるリスクは、誰にでもあります。
「自分の荷物は自分で管理する」 この基本を徹底し、怪しい依頼は断固として断る。これが、自身を守り、社会に貢献する唯一の方法です。
まとめ:片山財務相と税関が警告する、最新の密輸事情
片山さつき財務大臣と税関が-alertを発している「金の密輸」の脅威。それは、 Behind the scenes of the glittering gold market, a dangerous game is being played. 値上がりする金を狙った組織的な犯罪は、今や「スルー密輸」として、私たちのすぐそばまで迫っています。
年末年始の旅行シーズン