時疾風
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時疾風の寄り切りに迫る!「ぎっくり腰」克服後の粘り腰⁈ 相撲界の新星・その強さの秘密
大相撲の土俵が、新たな熱気で沸き立っている。その中心にいるのが、新入幕力士・時疾風(ときはやて)だ。2025年名古屋場所、序盤で迎えた勝ち越し争いは、まさに白熱の火花を散らした。対象は、同じく2敗を営む藤ノ川。この番付同士の死闘を制したのは、予期せぬハプニングを跳ね除けた時疾風の「粘り」だった。
「ぎっくり腰」という最悪の事態を場所直前に乗り越えた彼の強さの裏側には、一体何があるのか。最新の試合結果と、玉ノ井親方(元大関・玉ノ井)の的確な分析をもとに、時疾風の現在地と未来を深読みする。
勝負を分けた「寸劇」の行方:時疾風 vs 藤ノ川の攻防
名古屋場所の5日目、土俵上の空気は緊張に満ちていた。2敗同士の対戦となった時疾風と藤ノ川は、お互いに引くことのない激しいぶつかり合いを演じた。
写真提供:時事ドットコム
立合いから一気に組み合った両力士は、互いに譲らない力比べが続く。特に目立ったのは、藤ノ川の鋭い左差しに対し、時疾風が見せる「しぶとさ」だった。一見、藤ノ川の攻勢が決まるかに見えた瞬間、時疾風は踏ん張り、わずかながら土俵際へと運ばれる。
しかし、ここで時疾風の底力が炸裂した。「寄り切り」の形で決着がついたこの一番、勝負を分けたのは、藤ノ川がわずかに重心を崩した隙を突いた、的確な仕掛けだった。 Yahoo!ニュースの記事でも触れられている通り、時疾風は「力強く」勝利を手にしたのだ。
場所直前の「ぎっくり腰」は誤算か?
この勝利が、より意味深に映える背景がある。それは、場所開催直前に時疾風が見舞われた「ぎっくり腰」の存在だ。
大相撲にとって、腰の故障は力士の生命線を脅かす的一大イベントだ。特に、新入幕という大きな目標を眼前に控えた時期での発症は、選手生命にかかわるほどの衝撃だった。しかし、この藤ノ川戦を見れば、その心配は杞憂に終わったと言える。
彼は「ぎっくり腰」を完全に克服し、甚至、その経験が「土俵際での粘り」という形で、ポジティブに作用している可能性すら感じさせる。故障に泣かされることが多い相撲界で、早期復帰と勝ち越しキープは、時疾風の心身の強靭さを物語る証拠と言えるだろう。
玉ノ井親方の眼光:「素早く、しぶとく」の評価
「新入幕力士・時疾風の相撲は、ただ力強いだけではない」
これは、元大関で現・玉ノ井親方が、スポニチアネックスのインタビューで示した見解だ。自身も長く最高位で土俵を務め、現在は後進の指導に当たる親方の眼光は、talentの本質を的確に捉える。
玉ノ井親方は、時疾風の動きについて「素早く、しぶとく、そして力強く」と評価している。 - 素早さ: 立合いでの出足の速さ。これにより、相手のリズムを狂わせる。 - しぶとさ: 一度押されても、諦めずに粘り、形を作る粘り腰。 - 力強さ: 寄り切り、叩き込みといった、力技で決まる相撲の強さ。
これらの要素が組み合わさることで、時疾風の相撲は「完成度の高いもの」へと昇華している。特に、この名古屋場所で見せる「守備的な局面からの逆転」は、まさに玉ノ井親方の評価通りの「しぶとさ」の発露である。
新入幕の壁と、時疾風が見せる「大関への視座」
大相撲の番付システムにおいて、新入幕(11枚目以内)は、力士にとっての大きな節目だ。それまで十両で活躍していた実力が、一気に幕内という「星の海」で通用するか否かが問われる。
序盤戦で2敗をキープし、勝ち越しが見えた現状は、まずまずの滑り出しだ。しかし、新入幕力士が陥りがちな罠は「番付運」だ。好調を維持し、7勝目、8勝目を重ねるためには、故障の再発防止と、継続的な体力管理が不可欠だ。
現在の時疾風に求められるもの
現在の時疾風に足りているのは、土俵上の強さだけではない。彼は、「眼光」を持っている。 藤ノ川戦での勝利は、単なる星取りの数値ではない。新入幕の重圧、そして「ぎっくり腰」という逆境を跳ね除けてなお、勝ち抜くという「強さの証明」だった。
今後、彼が目指すべきは、単なる勝ち越しではない。大関・豊昇龍や、横綱・琴ノ若らが支配するこの番付の中で、上位陣との対戦でどう戦うかだ。玉ノ井親方の言葉にある「素早さ」を活かし、上位力士の巨体を翻弄できるかが、時疾風の真価を問う鍵となる。
時疾風の今後:名古屋場所からの展望
名古屋場所は、まだ半分ほどだ。時疾風はこの勢いを維持し、10日目以降の上位陣との対戦に備える必要がある。
もし彼が、この名古屋場所で2ケタ勝利(10勝以上)を挙げれば、その地位は確固たるものになる。それは、単なる「駆け出し力士」から、幕内上位を狙う「実力者」へとステップアップすることを意味する。
予想される展開とリスク
- リスク: 何と言っても「腰」だ。一度故障した部位は、常にリスクをはらんでいる。今後の番付運次第では、相手の攻撃がその弱点を狙ってくる可能性もあれば、自身の無理が祟る可能性もある。
- 展望: しかし、藤ノ川戦で見せた「粘り」は、そのリスクを覆い隠すほどの強さだ。もし、この調子で勝ち進み、関脇や小結との対戦でも食い下がることができれば、大相撲界の「次世代の主役」候補として、その名を刻むことになる。
まとめ:次なる土俵へ続く、時疾風の道
「ぎっくり腰」の不運を跳ね除け、藤ノ川との激闘を制した時疾風。その寄り切りに見えたのは、ただの力技ではなく、逆境を糧にする「強さ」だった。
玉ノ井親方の的確なアドバイスも手伝い、彼の相撲は確実に完成度を増している。今後の名古屋場所、そして夏場所以降、彼が見せるであろう新たな相撲に、目が離せない。
大相撲ファンにとって、新たなスターの誕生は喜びだ。時疾風という力士が、この名古屋場所でどのような結果を残すか。彼の土俵での一