大の里
Failed to load visualization
大の里、7連勝で単独首位!無敗の九州場所、その強さの秘密と未来
大相撲の九州場所が熱い。その中心に立っているのは、横綱・大の里だ。彼は序盤からの波に乗らず、ただ一歩ずつ着実に勝ち点を積み上げている。現在、7連勝で単独首位を快走するこの快進撃は、単なる勝ち越し以上の意味を持つ。宇良との直接対決では金星(番狂わせ)を許さず、その強さに陰りが見られない。
この異例の快進撃の裏側には、どのような心境と稽古があるのだろうか。そして、このまま無敗の首位維持は可能なのか。報知新聞やYahoo!ニュース、NHKなどの信頼できる情報源を基に、横綱・大の里の現在地とその展望を詳しく紐解いていく。
九州場所を支配する無敗の横綱
今場所、大の里の姿は「安定」そのものだ。序盤の壁と言われる小結・琴ノ若や、関脇・豊昇龍といった強力なライバルたちを難なく粉砕し、7日目終了時点で単独首位を走っている。
特に注目を集めたのは、5日目の宇良戦だ。大の里の新横綱昇進以降、宇良は金星(横綱を破った力士に贈られる大記録)を2回も達成しており、大の里にとって最も気を抜くことができない力士の一人だった。しかし、この試合では大の里が完封。相手の攻めを事前に見極め、最後は寄り切りで逃げ切り、宇良の金星獲得を阻止した。
「もう少し厳しくやっていきたい」
7連勝を飾った後の大の里は、這樣のコメントを残した。自信過剰ではなく、常に自身の稽古の厳しさを保とうとする姿勢が、彼の強さの基盤にある。
この発言から、彼が現在の勝利に慢心しておらず、むしろ「本当の強さ」を求めていることが伝わってくる。彼の目指すのは、単なる勝ち越しではなく、白星一筋の完全優勝だろう。
新横綱の壁と、越え続けるその姿
大の里の新横綱昇進は、大相撲史に残る快挙だった。年6場所制以降、最も短い所要場所数での昇進だ。しかし、巨額の负荷がかかる横綱の座は、甘いものではない。過去には、昇進直後の若手横綱が壁に直面し、不振に陥るケースも多々見られた。
大の里が特に注目されているのは、この「壁」をどう越えるかだ。彼の相撲スタイルは、新弟子時代から一貫して「速攻」。足腰の強さを生かした出足と、相手の懐へ深く入るような小技が武器だ。しかし、横綱になると、相手は彼を倒すために必死の策略を練ってくる。序盤の不調が続くと、心理的に追い詰められることもある。
しかし、今のところ大の里は、そういったプレッシャーに屈する様子を見せない。むしろ、宇良戦のように、相手の本気を受けて止めてから勝つという、余裕すら感じさせる相撲を見せる。これは、単なる力の勝負ではなく、頭を使った相撲、つまり「横綱力」が備わりつつある証拠である。
7連勝の裏側:稽古とメンタル
7連勝の裏側には、想像を絶するほどの稽古の積み重ねがある。大の里は、その若さ故の衰えがなく、毎日のように土俵入りや稽古に励んでいる。特に、横綱としての自覚からか、強豪力士との稽古を積極的に求め、自身の相撲の幅を広げようとしている。
最近のインタビューでは、彼の口から「もう少し厳しく」という言葉が頻出する。これは、勝っているからと言って油断せず、常にベストコンディションを維持するための自戒の念だろう。大の里の強さの秘密は、この「常に上を目指す」という謙虚さにあるのかもしれない。
また、周囲のサポートも見逃せない。伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭天鵬)の指導の下、大の里は精神的にも技術的にも安定した成長を見せる。親方の経験値が、若手横綱の不安定な部分を支えているのだ。
歴史的な視点:無敗の優勝へ
大の里が7連勝を続けている今、ファンの間で自然と話題に上るのが「全勝優勝」の可能性だ。大の里自身、新横綱昇進場所(先場所)で13勝2敗の好成績を残している。この勢いをそのまま15日目まで維持できるかが焦点だ。
大相撲の歴史において、新横綱が全勝優勝を達成したのは、わずか数例しかない。それは、まさに「伝説」と呼べる偉業だ。もし大の里がこの九州場所で15戦全勝を果たせば、その名は歴史に刻まれることになる。
しかし、大の里の目指すものは、おそらく記録のための全勝ではない。彼が目指すのは、あくまで「その場所の一番強い力士」として君臨することだ。その姿勢が、結果として美しい記録を生み出す可能性を秘めている。
今後の展望:残り8試合の行方
残り8試合。大の里の前には、さらに高い山が控えている。特に、大関・豊昇龍との対戦がいつ訪れるかが注目されている。豊昇龍は、秋場所で大の里を破っている。雪辱を誓う豊昇龍と、それを許さない大の里の対決は、今場所の白眉となるはずだ。
また、横綱土俵入りの際に見せる「力水」や「露払い」の役割も、大の里にとっては大きな負担となる。彼の体力配分が、後半戦の勝負を分ける鍵になる。
大の里は、自身のSNSで「每天都很努力!」(毎日努力している)と中国語で投稿し、常に自分を奮い立たせている。この姿勢が、無敗の首位を維持する原動力だろう。
まとめ:大の里の進化を見守る
大の里は今、単なる「期待の新星」ではない。大相撲の未来を担う「横綱」として、その責務を全うしようとしている。7連勝、そして宇良戦の勝利は、その証である。
残りの取組でも、彼がどのような相撲を魅せるか。油断なく、そして力強く、彼が九州場所を制する日を、一緒に見守っていきたい。
出典元 - スポーツ報知 - Yahoo!ニュース - NHK