レッドフォート

インド首都デリーの悲劇：レッドフォート近郊車爆発事件、死者8名以上／捜査本部設置

【速報】 インドの首都ニューデリー、世界遺産「レッドフォート（赤い城）」の近隣で10日夜、走行中の車両が爆発する惨事がありました。現地当局の発表によると、この爆発により少なくとも8人が死亡、20人以上が重軽傷を負ったとされています。現場は観光地として多くの人が訪れるエリアであり、犯行声明は今のところ確認されていませんが、インド警察はテロの可能性を視野に捜査を進めています。

事件の概要：観光地で発生した突発的な爆発

現地時間の10日午後6時50分頃（日本時間同日夜10時20分頃）、デリー市中心部の旧市街エリア、通称「チャンドニ・チャウク」交差点付近で爆発が起きたと複数の地元メディアが伝えています。

爆発の中心となったのは、低速で走行していた小型車両でした。目撃者の証言によると、車両は赤信号のため停車していた際に突然爆発したとされ、周辺は大混乱に陥りました。

「突然、激しい爆発音が響き渡った。すぐに救助活動に入ったが、現場は惨状そのものだった」 — デリー警察関係者（CNNジャパンより）

CNNジャパンの報道1によれば、爆発箇所は「赤い城」の主要なゲートの一つである「ラホール・ゲート」の目の前であり、デリーで最も賑わうエリアの一つです。警察は直ちに周辺を封鎖し、爆発物処理班（EOD）を投入して原因調査を開始しました。

被害状況と当局の対応

負傷者と死者

デリー警察のゴルチャ本部長は、「数人が死亡した」と述べていますが、通信社のプレス・トラスト・オブ・インディアは匿名の当局者の話として、死者8人、負傷者20人以上と伝えており2、その多くは重傷を負っているとみられています。

地元紙インディアン・エクスプレスによると、車両には複数の人が乗っていたと見られており、爆発の威力は非常に強く、周辺の店舗や建物のガラスが割れる被害も出ています。

警察の初期対応

デリー警察は事件発生後、以下の対応を迅速に実施しました。

1. 現場の封鎖と避難誘導: 爆発周辺500メートル範囲を車両・歩行者通行禁止にし、観光客や住民を安全な場所へ誘導。
2. 救急活動の開始: 近隣の病院に救急患者を搬送。デリーの主要病院は非常事態宣言を発令。
3. 爆発物の二次被害防止: 未爆発物の有無を徹底的に調査。

シャー内相は「すべての可能性を考慮し、あらゆる角度から捜査している」と述べ、国内の治安機関に警戒強化を指示しました3。

被災地の背景：レッドフォートの歴史的重要性

世界遺産「レッドフォート」とは

事件が発生した「レッドフォート（Lal Qila）」は、1639年にムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが建設した城塞都市です。赤い砂岩で造られたその外観から「赤い城」と呼ばれ、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

もともと皇帝の居城として建造されたこの城は、1857年のインド大反乱以降、英国軍の占領下に置かれ、独立後はインド軍の司令部として使用されるなど、インドの近代史を象徴する場所です。毎年8月15日には、現職首相が国旗を掲揚する「独立記念日」の式典が執り行われる、国民的威信の象徴でもあります。

なぜ今、この場所なのか？

デリー警察の捜査本部は、犯行が計画的であった可能性に注目しています。現場のチャンドニ・チャウク地区は、以下の理由からテロリストにとって「宣伝効果」の高いターゲットとされています。

• 象徴性: 国家行事が行われる城塞近隣であること。
• 人的密度: 一日あたり数万人の観光客・通勤客が訪れる混雑エリア。
• 混乱の拡大: 中心部に位置し、交通の要衝であるため、事件発生時の混乱が容易に拡大する。

歴史的に見ても、インドはパキスタンとの対立や国内の分離独立運動の影響など、複雑な治安情勢にあります。特にデリー首都圏では、過去にも観光地を標的としたテロ事件が発生した前科があり、当局は過去の事例と照らし合わせて捜査を進めています。

事件がもたらす影響と社会的反応

観光業界への打撃

今回の爆発事件は、 dormant（休眠状態）だった観光業界の再起に歯止めをかける結果となりました。デリーを訪れる外国人観光客の増加を目指していたインド政府観光局にとって、世界遺産直下でのテロ未遂（あるいはテロ事件）は致命的な打撃です。

既に、複数の国が自国民に対し、デリー市中心部への渡航注意喚起を発令しています。特に、日本を含む東南アジアからの团体旅行では、今後の日程変更やキャンセルが相次ぐ可能性があります。

治安体制の見直し

インド内務省は、全国の主要な観光地、政治施設、商業施設における警備体制の強化を発表しました。特に、デリー、ムンバイ、アグラ（タージ・マハル所在地）など、主要都市の空港や駅での手荷物検査が厳格化されています。

今後の捜査と展望

捜査の優先課題

目前の捜査の焦点は、以下の3点です。

1. 車両の所有者と経路: 爆発した車両のナンバーを手がかりに、所有者や租借経路を調査。
2. 爆発物の種類: 現場から回収された破片の分析。軍用爆薬か、市販の化学物質を使用した粗悪品かの鑑定。
3. 犯人の動機: 犯行声明がないため、IS（イスラム国）や国内の過激派グループの関与を含め、幅広く調査。

将来への影響

もしこの事件が特定のテロ組織による犯行と断定された場合、インドとパキスタンの関係悪化につながるリスクも孕んでいます。2008年のムンバイ同時多発テロ以来、インドはテロ対策に敏感であり、報復措置に発展する可能性も否定できません。

一方で、現地メディアは「犯行声明がない」という事実に注目し、テロではなく、抗